紀伊半島のリゾート地の「恐ろしい結末」
特に建物は、年月の経過とともに確実に物理的、機能的減価等が発生するため、古くなりすぎると運用が難しい資産といえます。
このような不動産の塩漬け状態は全国各地に見られます。
たとえば大阪地方の日帰り温泉のある、紀伊半島のリゾート地の多くは自然が多く残り住環境も良く、生活の利便性も高いため、バブル期には宅地分譲地にしたり、別荘地としての分譲が行われていました。ところがバブル崩壊後、それらの土地は市場価値が大きく下がり、いわばバブルの残骸をさらしているような状態になりました。
人口の減少と老齢化が進むとともに、ますます住宅が都心の一部に集中し、従来から過疎化が進んでいた市町村の土地は価値を失っていくことになったのです。こうなってしまうと、土地を所有する資産家の力だけで立ち直らせることはできません。いったん塩漬けになった土地は、大手デベロッパーなどの力を借りても簡単に甦らせることはできないのです。
「なぜ、所有している不動産を何の対策も取らずに放っておいたのか」と他人から言われることもあるかもしれませんが、多くの資産家にとっては「手の打ちようがなかった」というのが本当のところでしょう。