いつの時代もなくならない相続トラブル。特に、相続財産に不動産が含まれる場合、納税の際に大きな問題が発生してしまいます。そこで本記事では、『円満相続をかなえる本』(幻冬舎MC)より、具体的な事例と解決策を紹介します。

「時間があるようでない」相続の恐ろしさ

〈相続税の試算〉

 

相続税を試算するにあたっては、まず、相続する資産について財産評価を行ない、できるだけ早めに大まかな納税額を計算し、納税資金が実際のところ、足りているのか足りていないのかを依頼者に報告します。納税資金の目途を具体的に立てるのはそれからになります。

 

 

ところで、相続税の納税期限は、相続開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。この佐藤さんのケースもそうでしたが、取引銀行など金融機関(あるいは不動産会社、生命保険会社など)からの紹介で税理士がお客様にお会いするタイミングは、多くの場合、49日の法要が済んだ頃となります。つまり相続が発生してから、少なくとも2か月弱が経過しています。

 

このタイミングで依頼を受けて、期限までにある程度の余裕をもって税務署に申告・納税をしようとするなら、すべての資産を評価するためにとれる時間は、実質1~2か月。不動産の現地調査、役所調査をする時間、評価減が適用できるかなど検討を重ねる時間を考えると、非常に厳しいスケジュールにならざるを得ません。

 

さらに今回のように、相続税の納税資金が足りないという場合、相続した不動産を売却する必要があるのであれば、どの不動産を残して、どの不動産を売却するか、詳細に検討することもしなくてはいけません。あっという間に日が過ぎてしまい、時間があるようでないというのが現実です。

次ページ足りないことは見当つくけど…その額がわからない!

本記事は、2017年9月22日刊行の書籍『円満相続をかなえる本』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、予めご了承ください。

円満相続をかなえる本

円満相続をかなえる本

石川 宗徳,森田 努,島根 猛,佐藤 良久,近藤 俊之,幾島 光子

幻冬舎メディアコンサルティング

「対策が難しい相続」に悩む人に向けてプロフェッショナルが事例とともに分かりやすく解説。大切な資産と人間関係の守り方教えます! 「相続登記と遺言を行なうメリットってなんだろう?」「相続した不動産、売るべき?売ら…

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