日本のコイン投資家は医師などの知的富裕層が多い
現在、日本でコイン投資を実践しているのは、医師や歯科医が多くなっています。あるいは経営者も比較的多いといえます。医師というのは、とにかくリスク管理に熱心な人が多いのです。インテリジェンスが高いからだと思いますが、現金を信用していない人が多いのです。
不動産を所有している人も多くいますが、金やコインにシフトする人が増えているのが現状です。医師は、比較的高額な収入を得ていますが、その資産をどう守るかということで、コイン投資を始める人が多いのです。
医師は仕事が忙しいので、株式市場や為替市場をウオッチしている時間がありません。そこで、短期売買でなく、長期保有が前提となるコイン投資が向いているのです。
「悪徳コイン商」が存在するのは事実だけに・・・
今後有望なコイン投資ですが、負けないための知識を持って戦略的に取り組まなければ利益を出すことはできません。
たとえば、コイン業界には「悪徳コイン商」が存在するのも確かです。「開運!なんでも鑑定団」というテレビ番組があります。美術品を高額で買った人が、鑑定師に鑑定された金額を聞いて喜んだり、あまりの金額の低さに唖然としてしまうあの番組です。
コイン商にも、とんでもない高値をふっかけて販売している業者が多数います。正直な話、そんな業者から買うのが間違いなのですが、おかしな業者を避けるための知識を紹介しておきましょう。
投資家として、投資対象を調べることは不可欠です。調査をもとに自分の頭でとことん考えましょう。わからないものに対して貴重なお金を投じるべきではありません。自分の命の次に大事なお金を簡単に失ってしまうのは、リサーチが足りないからです。
「4つの項目」を意識すれば悪徳業者は避けられる
ネット販売においては、以下の点に注意してください。
①顔写真・・・サイトに責任者の顔写真を出しているか?
②購入者の声・・・購入者のコメントが閲覧できるか?
③画像の加工・・・コインの画像を加工していないか?
④グレード付・・・NGC社やPCGS社のグレード以外に勝手なグレードをつけていないか?
どんな価格でコインを買うかは自由です。しかし、悪徳業者は平気で相場の5倍、10倍の価格で売っていたりします。そんな価格で購入すれば、いくら後から値上がりしても売却益を得ることはおぼつきません。
たとえば、筆者は3年住んだシンガポールから日本に戻ったときに、東京・月島にウイークリーマンションを借りました。40平米程度の部屋ですが家賃は月に28万円ほどでした。
月島付近の3LDKマンションの家賃も調べましたが、25万円から30万円でした。ウイークリーマンションは、駅から徒歩2分くらいでとても便利だったので、この家賃は適正レートだったということです。
これが、悪徳業者であれば、家賃を月に150万~300万円に設定するということです。家賃相場の5倍、10倍という設定です。
賃貸物件であれば、その物件の価値は素人でもおおよその見当がつくので、割高な物件には借り手がつきません。しかし、投資の世界では法外な値段が平気でまかり通り、その値段を支払う人がいるのです。
先ほどの4項目である、①顔写真②購入者の声③画像の加工④グレード付は最低チェックし、高値で買わないことがまずコイン投資で儲ける第一歩となります。
鑑定会社の大手2社はPCGSとNGC
鑑定会社については、これから投資をするうえでは、鑑定会社の仕組みをよく理解しておく必要があります。
鑑定会社、オークション会社、造幣局の三者が三つどもえになって、コインの価格形成をしています。オークション会社は、出品する人がいなければビジネスになりませんので、オーナーが出品しやすい状況をつくるために、少しでも価格を上げようと工夫しています。
鑑定会社は、新しく出たものを次々と鑑定したり、過去に発行されたものでも鑑定されていないものを鑑定し、投資家が安心して購入できる環境をつくるとともに、より精密な鑑定を行い、少しでも価格を高くできないかを判定します。
すでに鑑定が行われたものでも、それが10年前、20年前であれば、グレードを上げることができないか再鑑定をすることもあります。鑑定会社も徐々に鑑定方法を進化させ、かつ細分化していますので、再鑑定でグレードアップする可能性もあるのです。
ただ、再鑑定で必ずしもグレードアップするとは限りません。稀にではありますが、グレードが下がってしまうこともあります。それでは依頼人にとって再鑑定の意味がありませんから、鑑定をしなおすときは、グレードがアップしなければ据え置くことを条件に依頼することも可能です。
また、大手2社の鑑定会社であるPCGSとNGCでは、PCGSのほうが鑑定基準は厳しいので、PCGSの鑑定を受けていたものをNGCで再鑑定してもらい、グレードをアップするということも行われています。
ただ、PCGSの鑑定を受けているほうが価格は高い傾向にあるので、どちらが有利かはそのコインによって個別に判断することになります。
NGCの会員になると、マーケットリポートが毎週送られてきます。そこには、コインの価格動向が掲載されています。代表的なコインの価格がどう変化したのかがわかるようになっているわけです。
たとえば、アメリカの代表的なコインであるリバティ、あるいはインディアンヘッドと呼ばれる5ドル、10ドル金貨、モルガン銀貨などの価格が掲載されています。
コインの価格は「発行年度」と「グレード」で決まる
鑑定結果を左右するのは、主に発行枚数と残存枚数です。当然、枚数が少なくなるほど希少価値が出ますから、それが評価に加味されます。
仮に5年間、オークションに出ていなければ、取引が行われないので、売買結果としての価格は上昇しませんが、オークションに出なくても、資産価値は少しずつ上がっていきます。
そして、コインの価値は発行年度とグレードの二つの観点から見られているので、誰かが飛びぬけた価格をつけると、他のコインの価格もそれに追随します。
たとえば、同じコインで1850年鋳造のものはオークションに出品されたけれど、1857年鋳造のものは出ていないという場合、二つが同程度の枚数だとすれば、1850年ものに1.5倍の価格がつけば、1857年ものの価格も1.5倍に判定されます。
まずは鑑定会社に登録してコインの「値動き」を見る
安心して投資ができるコインは、最高グレードのものです。それ以上のグレードのものが存在しないとなれば、価格は必然的に上昇していきます。その分、価格は高くなりますが、できるだけ利益を確保しやすくするためには、最高グレードのコインを見抜く目を養うのが近道です。
最高グレードのコインを見抜くためには、まず、鑑定会社に登録して、価格を見ることです。NGCであればウイークリーリポートが届きますから、それを見ると、値動きが確認できます。
また、鑑定会社のサイトでは一覧表になっているので、トップグレードのコインが一目瞭然です。さらに、個々のコインのさらに詳しい情報もチェックできるので、そのコインのトップグレードは値上がり基調なのかどうかも判断できます。
グレードが一つ上がれば、基準価格は約2倍に!?
グレードの違いは価格に大きな影響を与えます。鑑定会社のサイトには鑑定会社がつけた参考価格が表示されており、これは基準価格と呼ばれます。
一般的な感覚でいえば、グレードが一つ上がれば、基準価格はほぼ2倍になります。さらにワンランク上がれば、3倍程度になるでしょう。グレードが一つ上がるということは、残存枚数も7分の1、8分の1になっているのが一般的ですから、それだけ希少価値が上がるということです。
ただし実際のオークションでは、うまくすれば基準価格よりも少し低い価格で取引できます。これらすべてがオークションでの実績ですから、価格が明朗です。
鑑定会社は、鑑定の依頼を受けたコインを少しでもグレードアップさせて基準価格を上げたいと考えています。
基準価格は、直近のオークションで同じグレードのコインにどのくらいの価格がついたかによって大きく左右されます。もちろん、上がるときもあれば、多少、下がるときもあります。
しかし、トップグレード、あるいは2番手のグレードであれば、値下がりのリスクは少なくなります。
鑑定会社にとって「鑑定費用」は主な収益源
鑑定会社では、コイン鑑定歴20年以上のベテランが複数人で鑑定を行っており、鑑定師自体はコインを保有することが禁じられています。
したがって、袖の下を貰って高いグレードをつけるとか、自分で勝手に高いグレードをつけてコインを売買するなどの不正はできないわけです。
また、鑑定会社は定期的にコインの基準価格を変更しています。実は、これが最大のポイントなのです。鑑定会社としては、コインをどんどん持ち込んで鑑定してほしい。なぜならば、鑑定会社は鑑定費用が主な収益源だからです。
鑑定会社はコインの値段を「徐々に上げていきたい」
では、鑑定するコインを増やすにはどうしたらいいでしょう。
そうです。鑑定会社の鑑定付コインが値上がりしていけばいいのです。この部分が最も重要なところで、鑑定会社はコインの値段を徐々に上げていきたいのです。オークションでは、鑑定会社がつけている基準価格がベースになります。
コインが値上がりすると、コインの持ち主も儲かり、鑑定会社も儲かり、オークション会社も儲かるわけです。結果、全員儲かるので値上がり傾向がずっと続くわけです。
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