限られた時間のなかで…佐藤さんの下した結論は?
佐藤さんの場合は、お姉さんの生前に相続対策を一切行なっていなかったこともあり、49日の法要を過ぎて相談に来られてからの限られた時間のなかで、多くのことを検討する必要がありました。しかし、そうしたなかでも最優先したのは、佐藤さんにとって、どの方法をとるのが一番有利であるかということです。
概して、銀行からお金を借りるにしても、不動産を売却するにしても、納税期限があるというので足元を見られ、決して有利とはいえない条件で進めていかざるを得ないケースも実際にはあります。
結果として佐藤さんは、不動産を売却することを選びました。しかし、限られた時間のなかで、しっかりとスケジュールを立て、相続税や不動産の売却に係る税金についてさまざまなシミュレーションを複数回行ない、数字の根拠にもとづいて具体的な筋道を立てられたこと、そして、各専門家がチームを組んで知恵を出し合いながら協力体制をしっかり築いて対応することができたため、幸いにも佐藤さんにとって、非常にいい条件で売却することができ、相続税の納税を無事に済ませることができました。