47都道府県で最も「労働時間」が短い県、長い県
働き方改革、そして新型コロナウイルス感染拡大でリモートワークが浸透したことで、長時間労働は改善の傾向にありますが、労働時間には地域差があります。厚生労働省「毎月勤労統計調査地方調査」(令和元年平均分結果概要、事業所規模5人以上、調査産業計)で、都道府県別の労働時間、そして給与の関係をみていきましょう。
1ヵ月の総労働時間の全国平均は139.1時間ですが、47都道府県のなかで最も短いのは「奈良県」で127.6時間。「京都府」130.6時間、「埼玉県」131.9時間、「神奈川県」133.6時間、「兵庫県」134.1時間と続きます(図表1)。
一方で最も長いのが「岩手県」で151.0時間。「青森県」「佐賀県」150.0時間、「秋田県」149.0時間、「福井県」148.7時間と続きます。
また所定外労働時間の全国平均は10.6時間ですが、最も短いのが「奈良県」で7.2時間。「京都府」「秋田県」「宮崎県」「鹿児島県」と続きます。一方、最も長いのが「愛知県」で13.1時間。「滋賀県」「三重県」「広島県」「岩手県」と続きます。
総労働時間では「東京」は8位でしたが、所定外労働時間では39位。残業の多さが目立ちます。
さらに同調査の現金総支給額から時間給を算出してみると、最も高いのが「東京都」で2416.1円。2位は「神奈川県」で2103.3円、3位は「大阪府」1995.8円、4位「愛知県」1899.7円と、三大都市圏での時給の高さが際立ちます(図表2)。
一方、最も時給が低いのが「青森県」で1477.8円。「沖縄県」1493.5円、「秋田県」1499.6円、「鹿児島県」1506.1円、「佐賀県」1536.1円と続きます。
このように総労働時間では1位と47位で20時間、時給換算では1位と47位で1000円ほどの地域格差が存在します。またこのデータは事業所からの申告をもとにしていますから、いわゆる「サービズ残業」は含まれません。「月の所定外労働時間が10時間なんて、嘘だ!」という人も多いでしょう。働き方改革関連法の推進で、労働時間の是正が進むことを期待するばかりです。
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