(※画像はイメージです/PIXTA)

家族だからこそ、言えないことがある――しかし「言わなかったこと」が、取り返しのつかない溝を生むこともあります。そのきっかけが「相続税の税務調査」ということは、富裕層にはよくある話のようです。

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家を買うなら援助するよ…経営者の父が切り出した提案

今からさかのぼること10年ほど前のこと。佐藤真奈美さん(仮名・当時34歳)は、大学卒業後に東京のIT企業へ就職。結婚を経て、夫と5歳になる長男と、3歳になる次男と、都内・賃貸マンションで暮らしていました。長男が小学校に入学する前にマイホームを実現する――それが一家の目標だったといいます。

 

夫婦共働き。できれば通勤のこと、さらに教育環境のことを考えて、23区、さらには都心に近いほうがいい、などと話していましたが、そうなると「億」という金額も覚悟しなければならず、計画の練り直しをしようかと考えていました。そこに登場したのが、真奈美さんの父親。

 

「うちは両親が地方に住んでいて、父は会社を経営していました。堅実な人でしたが、孫が生まれたときは、普段の父からは想像できないくらい、嬉しそうにしていました」

 

住宅購入を検討していることを、そこから耳にしたのでしょうか。父から一本の電話がかかってきたといいます。

 

「東京で家を買うなら援助するぞ、といわれたんです。最初は冗談かと思いました。父は子どもは子どもと、一線を引く人で、これまでも経済的な支援は最小限でした。でも、父は『相続するつもりの金を、前倒しで渡すだけだ』と。孫には甘々だったので、それでかなと」

 

佐藤家の父・昭一さん(仮名・享年72歳)は、製造業を営む地方企業の社長。長年にわたる堅実経営により、かなりの額の資産を保有していました。

 

「父は『姉には内緒にしてくれ』と釘を刺しました。『孫がいるお前たちのほうが今は金がかかる。絵里(姉・仮名)は自立しているし、同じ状況になったら同じように援助するから』と」

 

こうして真奈美さんは、住宅購入資金として5,000万円の生前贈与を受け取りました。さらに自己資金とローンを駆使して、東京・湾岸に建つタワーマンション(億超え)を購入。立地も抜群で、理想通りの住まいでしたが、姉・絵里さんに対しては後ろめたい気持ちが常にあったといいます。

 

「父に『お姉ちゃんへの支援は?』と聞いたことがあるんです。父は『必要ないよ。あいつには子どももいないし、そんなにお金がかかるわけじゃない』と。でもやっぱり公平だという思いがありました」

 

姉・絵里さん(当時37歳)は、地元のメーカーで勤務を続けながら、晩婚で子どものいない人生を選んでいました。その後、昭一さんが72歳で他界。遺言により、妻・久美子(仮名・当時70歳)さんが5,000万円、真奈美さんと絵里さんが2,500万円ずつを相続しました。葬儀も相続も穏やかに進んだ——ように見えたのです。

 

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