3つ目に、このようなテクノロジーとオペレーションの進化によって、周辺領域へと需要が拡大する。たとえば、中国では共同購買プラットフォームのピンドゥオドゥオが再成長を遂げている。2020年4月中旬までの需要に対して、4月最終週からゴールデンウィークまでは272%上昇。その後も30%近い安定的な伸びを示している。同社はアリババがターゲットにする都市部ではなく、郊外や農村部を中心に、何名購入するといくらで買えるという日本でも以前流行ったビジネスを展開している。
したがって、同社の課題は、バラバラの地方に個別配送する際のコストであったが、アリババの技術のように、AIでエリアごとの仕分けを適切に行い、共同配送を行うことで、農村部までの共同購買プラットフォームが成立するようになったのである。
DXの拡大プロセスを加速させる「2つの理由」
さらには、この拡大プロセスを加速させる2つの要因がある。1つ目は「アフターコロナ」のもとで「追い風」となる要因である。具体的には、EC化やキャッシュレス化、そして政府の規制や補助政策などが考えられる。中国の事例では、今後オンラインショッピングを国として拡大させる中で、ライブコマース市場の拡大を目指しており、そのための国家資格を2020年に新設すると発表している。
このような「アフターコロナ」のもとで追い風となる要因があると、各業界でのDXがさらに加速する。
もうひとつは事業機会の拡大である。具体的には、地方創生や海外投資の増加、物流網
の拡充、5Gの普及などが今後事業機会として、新たなDXが進む機会となる。中国では、
農村部の経済が拡大、ITが進展する中で、オンライン医療サービスが急速に普及してい
る。
「丁香医生(ティンシアンイシュン)」は2019年同月に対してユーザー数が198.84%増、「阿里健康(アリヘルス)」も62.94%増となっている。
以上のように、DXが拡大するプロセスには一定のパターンがある。自社の業界が、「ア
フターコロナ」においてどのパターンにいるのかを理解することで、この先のDXを先読みすることができるだろう。
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