
発達障がいについて語られることが多くなった昨今。本記事では書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「こころの問題」をひも解いていきます。
発達障がいの代表的な症例
【自閉スペクトラム症】
これまでの報道やインターネットなどで、アスペルガー障がいやアスペルガー症候群という言葉を見たり聞いたりした方もいるでしょう。
高機能自閉スペクトラム症のうち、3歳で「ママ、ネンネ」「ブーブー、イタ」といった名詞と動詞のみを使う「二語文」を話し、他人との会話が可能でコミュニケーション能力があると見られた場合を、アスペルガー障がいやアスペルガー症候群として区別していましたが、DSM-5ではアスペルガー障がいもアスペルガー症候群も自閉スペクトラム症として診断することになりました。
次の項目をご覧ください。自閉スペクトラム症のチェックシートです。お子さんの行動であてはまるものがあればチェックをつけてみてください。
●道順をよく覚える。(看板や行った場所などを目ざとく覚えている。しかし、他人に道を教えるのは苦手)
●換気扇、洗たく機、車のタイヤなど回転しているものをじっと見ていることが多い。
●物を綺麗に線状に並べる。(ミニカーやカードなど)
●なんでも一番でなければ気がすまない。
●数字や文字の形に興味があり、車などの乗り物の車種やポケモンの種類に詳しいなどといったカタログ的な知識がある。
●音(怒鳴る声、運動会のピストル)・風・臭いに敏感である。
●自己中心的な行動が多くマイペースである。
●仲間とのトラブルが多い。(衝動的に手が出る、言わなくてもいいことを言ってしまう)
●言葉を省略するとわからず具体的に話さないとわからない。(「あれ」、「それ」がわからない)
●自分の頭などを叩く自傷行為、他人に噛みつく
●叩く・蹴る・つねるなど他傷行為があること。
●三輪車がこげない。(両足を地面につけて進む)
●テレビのセリフを繰り返すなど独り言が多い。(ゲームをやっている時うるさい)
●冗談が通じない。
あくまで簡易的なものですので、正確なことがわかるためには、さらに細かいチェックシートが必要ですが、このような症状が3歳ぐらいに6個見られるようであるならば、自閉スペクトラム症の可能性があります。そのことを頭の片隅においてお子さんを見守るようにし、症状が目立ってくるようでしたら、発達障がいを専門に扱っている病院で診てもらうと良いでしょう。
自閉スペクトラム症の子の特徴は…
一般的に自閉スペクトラム症のお子さんの多くは、耳で聞く情報よりも目で見る情報の方が優れているという特徴(IQテストを行った時に、VIQという値よりもPIQという値が大きい)を持っています。だから、道順や看板や車種などもよく覚えているのです。
そのような特徴を活かすためにも、視覚的物理的構造化を確立させていくことが重要と考えられています。わかりやすく言うと、1日のスケジュールを図示して順番に書いて示したり、色で区別したりします。
言葉で言うだけでなく目の視覚に訴えるのです。そうすることで予定を忘れることがなくなったり、前もって次の準備ができたりするようになります。
勉強道具も冬物や夏物の衣類を整理するかのように、例えば国語に関係するものは青い箱に、算数は赤い箱に入れるなど色で区別しておくと部屋の片づけなどもうまくいきます。
きちんとした診断ができ、症状がわかれば、このような特徴を活かした支援をできるだけ早く行えます。それは、お子さんの学習能力や生活能力の向上に大きく役立ちます。
鈴木 直光
筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医博士(医学)
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