買った株が値下がりした際に、売却して損失を確定させることにより、被害を最小限にとどめようとするのが「ロスカット」です。このロスカットは、運用成績を上げるためには非常に重要な行為です。株式投資は資産運用の一種ですが、ロスカットせずにその銘柄の再上昇を待ち続けることは、有利な運用機会を逃す可能性になるのです。ロスカットが重要である理由を理解することにより、投資成績の向上が望めます。そこでロスカットが重要である理由を説明していきましょう。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

「買い値が正しい」ならば「ロスカット」はしない

ロスカットが重要である理由を示してきましたが、ただし例外もあります。

 

それは、買い値が正しい時です。

 

その銘柄を適正な価格(もちろん割安であるほど良い)で買えたと確信を持てる場合は、下落した株価が戻り、さらに上昇する確率も高いのですから、むやみなロスカットは禁物です。

 

株価というのは、気まぐれに上下するものでもあります。

 

ですから、単なる偶然で下がるということも起こり得ます。そしてその際は、慌ててロスカットをしてはいけません。上昇の見込みが十分にあるのですから、手数料を払ってロスカットする方が、損となるのです。

 

したがって、単なる偶然で最大限何パーセントぐらい株価が下がる、という可能性はあらかじめ想定しておくとよいでしょう。そして、その範囲内での変動ならば慌てずに、再上昇を待てばよいのです。

 

一方、その買い値が誤りならば、前述の通り、買い値に戻るまで待つことに意味はありません。その際はすぐにロスカットすることを考えるべきでしょう。

 

■まとめ

運用成績を上げるためにロスカットは重要だが例外もある

 

資産運用である株式投資では、より高いリターンの見込める銘柄に資金を移動させるのは当然のことです。

 

ですから、想定外の値下がりをした銘柄があった場合、その時点でより大きなリターンを望める銘柄があれば、ロスカットしてそちらを買うのが賢明です。

 

また、「あなたの買い値」は、売買の基準となる価格でも、その企業の価値を示す価格でもありません。その価格に戻るのを待つことに意味はないのです。

 

ただし、自分の買い値が正しい、すなわちその買い値がその企業の価値以下であるならば、それは例外となります。

 

正しい価格で買えた銘柄は、再上昇の見込みが十分にありますので、むやみなロスカットは控えるべきでしょう。

 

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