「日本は危機的状況だ」「日本は財政破綻する」…ニュースメディアで聞いたことがある人も多いのではないでしょうか? しかし評論家の中野剛志氏は、書籍『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』(KKベストセラーズ)にて、このような社会通念を「あり得ない」と真っ向から否定しています。

「日本はもうすぐ財政破綻する」よく聞く言葉だが…

③ 「金利急騰」シナリオ

 

デフレであるにもかかわらず、日本国債の金利を急騰させるには、 「日本は、もうすぐ財政破綻するぞ!」というフェイクニュースを連日のように流し続け、それを市場に信じさせなければなりません。

 

実際には、政治家も財務官僚も経済学者も経済アナリストもマスメディアも、「日本の財政は、危機的状況にある」と煽り、格付け会社も日本国債の格付けを低くしていますが、それでも、長期金利は世界最低水準のままです。したがって、よほど強力な財政危機キャンペーンを展開しなければならないでしょう。

 

いっそ、日本政府が「財政破綻」を宣言してしまってはいかがでしょう。

 

それで国債に対する信認が失われ、パニックが起きれば、金利が高騰するでしょう。そうなった場合でも、日本銀行は強い意志をもって国債を一切購入しないようにしなければなりません。むしろ、日銀もこの際、保有する国債を売りに出して、金利の高騰に貢献してはいかがでしょうか。

 

以上、 「債務不履行」 「ハイパーインフレ」 「金利急騰」という三つの財政破綻について、シナリオを描いてみました。

 

いずれのシナリオも、国家に「財政破綻したい」という狂気に満ちた政治的な意志がなければ、実現することはかないません。

 

日本の財政破綻を予想する議論が、どれだけ馬鹿げているか。これで、お分かりいただけたのではないかと思います。 

 

中野剛志

評論家
 

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

中野 剛志

KKベストセラーズ

読まれると経済学者・官僚が困る本ナンバー1 経済常識が180度変わる衝撃! 第1部 経済の基礎知識をマスターしよう 1.日本経済が成長しなくなった理由 2.デフレの中心で、インフレ対策を叫ぶ 3.経済政策をビジネ…

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