巷にはびこる「ハイパーインフレ論」よく考えると…
■日本の経済はハイパーインフレになるのか
「財政赤字をこれ以上拡大すると、ハイパーインフレになる!」
このような主張が後を絶ちません。
しかし、平成の日本は、およそ20年もの間デフレだったのです。それなのに、ハイパーインフレを心配するというのは、どういうことなのでしょうか。いったい、20年も拒食症の患者に対して、「これ以上、栄養を摂ると過食症になる!」などと処方する医者がどこにいるのでしょうか。
ところで、このハイパーインフレ論者たちは、財政赤字の拡大がインフレを起こすと言っているわけですから、「デフレ脱却には財政赤字の拡大が効く」ということには、同意しているわけです。
それにもかかわらず、彼らは、デフレ下での財政赤字の削減を主張します。その理由が、財政赤字を拡大すると、いずれハイパーインフレになるからだと言うのです。
しかし、何もハイパーインフレになるまで、財政赤字を拡大する必要などありません。デフレを脱却し、インフレ率が2〜4%になる程度にまで、財政赤字を拡大させればいいだけの話でしょう。
例えば、インフレ率が4%になったら、財政赤字をやめればいいのです。
それなのに、ハイパーインフレ論者は、なぜか、いったん財政赤字が拡大し始めたら、ハイパーインフレになるまで「やめられない、止まらない」と思い込んでいるのです。財政赤字って、そんなに美味しいものなのでしょうか。
なぜ、財政赤字の拡大を止められないと思っているのか、ハイパーインフレ論者に聞いてみましょう。
すると、こんな答えが返ってくるでしょう。