
「日本は危機的状況だ」「日本は財政破綻する」…ニュースメディアで聞いたことがある人も多いのではないでしょうか? しかし評論家の中野剛志氏は、書籍『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』(KKベストセラーズ)にて、このような社会通念を「あり得ない」と真っ向から否定しています。
「日本の財政は危機的状況だ」が愚かすぎるワケ
「日本の財政は危機的状況だ」という社会通念が広く長く定着してしまうと、今さら「財政危機の状況にはない」と言われても、狐につままれたような気がして、納得できない読者もおられるかもしれません。

そこで、理解を深めるために、あえて、思考実験をやってみましょう。どうしたら日本の財政を破綻させることができるかを考えてみるのです。
その前に、あらためて「財政破綻」とは何かを明らかにしておきましょう。というのも、論者によって「財政破綻」の意味が微妙に違うからです。
一般にいわれる「財政破綻」とは、次の三つのいずれかのことを指しているようです。
② ハイパーインフレになること
③ 金利が急騰すること
さて、このそれぞれを実現するシナリオを考えてみましょう。