ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

社内に入れるより、外部に求める方がリスクがない

こんなウェブ事業の担当者に任せている経営者にも問題ありです。もし経営者自身がこんなことを言っているようでは、自分の会社の経営を真剣に考えていないのが丸分かりです。経営戦略を立てていない、プロモーションも考えていない。ウェブマーケティングをやる意味を考えていない。これではもうカモにしてくださいと言っているようなものです。

 

後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)
後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)

ウェブマーケティングというよりも、経営コンサルティングが必要な会社といえます。

 

マーケティングを任せられる人材は簡単には見つからない

 

もしかして、リスティング広告はここ、SEOはSEO専業の会社、制作会社はまた別の会社といったように、ばらばらに発注していませんか。

 

こんなふうに個別に発注していると、A社の話をB社に伝えて、B社の数字をA社とC社に伝えるといった連携作業をクライアントがしなければなりません。それだけでもかなり面倒なことになります。

 

さらに、本来は単品営業に乗るべきではありません。各社が自分の売りたいものを売り込んでくるだけで、クライアントにとって何をするのがベストかまで配慮していないからです。SEO専業会社はSEOのことしか分からず、リスティング広告を担当する会社はそのノウハウしかないのですから、全体を見てどんな組み合わせにしたらいいかを相談できる相手ではありません。

 

広告代理店なら、リスティングも制作も任せられて一社で済むからいいように思えます。確かに広告の配信も制作も窓口はひとつにまとまるかもしれませんが、広告代理店も内部で分業したり外注したりしていますから、広告プロモーション全般をハンドリングできる人はなかなかいないのが実態です。

 

大手企業にはマーケティング部門に専門家がいて、どういう媒体に広告を出すか、ウェブ広告と紙媒体やテレビ広告をどう絡めていくかから商品パッケージ制作に至るまでを総合プロデュースします。あるいは大手広告代理店がその役目を担います。

 

しかし中小企業の社内には、それができるプロのマーケターはまずいません。研究開発や生産のプロはいても、商品を売ったり世に広める方法を考えることができるだけのスキルと経験を持ったプロがいないのです。

 

では高い報酬を用意してでもプロのマーケターを入れて販売活動の軸に据えるべきでしょうか。しかしそういう人は、大手企業の中にいるか、独立してコンサルタントをしています。それほどの力があるわけではない中途半端な人を雇ってしまって、うまくいかないで困っている会社を見ることはあります。高い費用を掛けてヘッドハントをしてそれなりの給料を払っているが、今に至るまでこれといった成果を出していない。でも雇ってしまったからクビにするわけにもいかないので困っている。これなら彼の給料を広告の予算に回せばよかったと、ある会社の社長はこぼしていました。

 

このように社内に招き入れるよりは、外部に求める方がリスクはありません。能力に疑問符がついたら、お付き合いを止めればいいのです。

 

世の中にマーケティングのプロがまったくいないわけではありません。そういう人が見つかったら、絶対に放さずにパートナーとして長く付き合っていくつもりでアンテナを高く張っておけば、きっと見つかるはずです。

 

後藤 晴伸
後藤ブランド 社長

 

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増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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