首都圏「新築マンション販売」前年同期比減
先日、2020年4~9月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンション発売は前年期比26.2%減というニュース(不動産経済研究所10月20日発表)が大々的に報道されました。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言により、経済活動が制限されたことによるものとされています。
むしろリモートワークの推進により、在宅率があがったことで、「より住み心地の良い住まいを」という住み替えニーズが増加。緊急事態宣言後の販売は好調だと伝わっています。
また「金利が安いうちに」というのも購入動機に繋がったいるようで、消費の落ち込みが懸念されるなか、マンション販売は検討しているようです。
とはいえ、新型コロナウイルス感染拡大の影響は、家計にもジワリジワリと影響を与えてきています。厚生労働省の「毎月勤労統計調査*1」によると、2020年1~3月の現金給与額*2は、前年同月比プラスを記録してきましたが、緊急事態宣言が発令された4月には、マイナスを記録。以降は前年同月比はマイナスが続き、8月の速報値でも前年比-1.8%の35万1378円を記録しています(図表1)。
*1統計法(平成19年法律第53号)に基づき、雇用、給与及び労働時間について、全国調査にあってはその全国的の変動を毎月明らかにすることを、地方調査にあってはその都道府県別の変動を毎月明らかにすることを目的とした調査
*2賃金、給与、手当、賞与その他の名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に通貨で支払うもので、所得税、社会保険料、組合費、購買代金等を差し引く前の金額。退職を事由に労働者に支払われる退職金は含まれない
また一般社団法人経済団体連合会の発表によると、2020年の夏季賞与は平均90万1,147円と、前年比2%近くの下落。しかし大手企業で前年比6%近い下落、中小企業に限ると10%近いとする調査もあり、この夏の懐事情はなかなか厳しい状況に追い込まれてしまったようです。さらに年末賞与についても厳しい見方が大勢を占めています。
このような状況が続くと、どんなに住まいに対するニーズが高まっているとはいえ、購入を控える動きも出てくるでしょう。