
日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、働く人たちの「給与」に焦点をあててみていきます。
給与水準は90年代と変わっていない
――給料がなかなかあがらない

そのようなボヤキを聞いたり、または実際に口にしたりする人は多いのではないでしょうか。国税庁による「民間給与実態統計調査」で平成時代30年間の平均給与の推移をみれば、その実感当然のことと思えるでしょう。
平成の幕が開いた1989年。まさに日本はバブル時代の真っ盛り。「1万円札をヒラヒラとさせてタクシーをとめた」とか「新卒内定者を囲い込むために、ハワイで軟禁させた」など、いまでは笑い話になっていることが、当たり前のように繰り広げられた時代。会社員の平均給与は402万円でした。
このあとバブルが弾けるわけですが、会社員の平均給与は上昇し続けます。ピークに達したのは1997年。世界では香港が中国に返還され、日本では初のサッカー・ワールドカップへの出場が決まって歓喜していたころ、平均給与は467万円に達します。90年代、10年も立たない間に50万円以上も平均給与はあがったわけです。
しかし2000年代初頭のITバブルと、その崩壊、いざなみ景気からの世界同時不況の2009年まで、平均給与は下がり続け、405万円と、平成元年とほぼ同水準になってしまいます。
その後、欧州危機などもありましたが、2013年から始まるアベノミクス景気により、「なにから世の中は景気が良いらしい」という実感なき好景気を向かえます。平均給与も上昇し続け、2018年には440万円に達しました。
“達した”とはいうものの、440万円というのは90年代初頭、つまり平成時代のはじめのころと同じなわけですから、「給与がなかなか上がらない」の実感は、当然といえば当然です。
OECD(経済協力開発機構)のデータをみると、さらに衝撃的です。1997年と2018年の加盟国の時給で、最も増えたのが韓国で167%増加。続いて英国、米国と続いていきますが、日本だけがマイナス8%となっています。国によってインフレ率など異なりますが、実質賃金で比較しても、日本だけがひと際、低水準。「給料がなかなか上がらない」は、日本特有のボヤキであることがわかります。
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