考えられる治療法② 根本治療は手術一択
ひとたび濁った水晶体は、残念ながら元に戻すことはできません。点眼治療で進行スピードを遅らせることはできますが、「眼がかすむ」「二重・三重にダブって見える」「まぶしさを強く感じる」といった症状を取り除くには手術治療が必要です。
白内障手術は簡単にいうと、濁った水晶体を取り除き、そこに水晶体の代わりとなる人工のレンズを入れる手術です。人口のレンズは「眼内レンズ」と総称されます。
手術と聞いただけで「外科的治療は怖い」と身構えてしまう方もいるかもしれませんが、現代において白内障手術は10~ 20 分程度で済む安全な手術です。麻酔も点眼薬で行うなど、痛みや身体への負担が極力ないように配慮されています。諸症状で日常に支障をきたすようになったら、安心して手術を検討してください。
白内障手術には何種類かの術式・方法があり、眼科医が患者さんそれぞれの眼の状態や白内障の進行度を診ながら最善の術式・方法を選んで患者さんに提示します。
ここでは最も一般的な「超音波水晶体乳化吸引術」と「レーザー白内障手術」の2種類を紹介しましょう。
1 超音波水晶体乳化吸引術
まず角膜の端の部分をメスで2㎜ほど切開し、水晶体の前嚢を5㎜ほど切り取ります。そこに超音波を当て、水晶体の中身である核と皮質の部分を断片に分割しながら砕きます。砕いたものを吸引して取り除き、中身がなくなった水晶体嚢のなかに眼内レンズを挿入して洗浄します。
手術はこれで終了です。傷口は小さいので、自然に塞がります。手術による出血量もごくわずかな安全性の高い手術です。
現在、日本国内で行われている白内障手術は、大多数がこの超音波水晶体乳化吸引術です。
2 レーザー白内障手術
内容は超音波水晶体乳化吸引術と同じですが、角膜の切開、前嚢の切開、核の断片化という工程をレーザー照射で行います。このレーザーは「フェムトセカンドレーザー」という名称の特殊なものです。コンピューター制御のもとに照射が行われるため、より正確で眼に優しく、精度と安全性の高い手術が可能です。
しかし、レーザー白内障手術を行っている医療機関は、まだ少数に限られています。レーザー白内障手術に用いる装置が高額なこともあり、導入の意義と有用性を検討しながら従来の超音波水晶体乳化吸引術を用いているところが大半のようです。
渡邊 敬三
南大阪アイクリニック 院長
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