白内障かどうかを調べる検査はどこで受ける?
さて、ここまでを読んで「私は白内障かもしれないな」と感じた方は、早めに眼科へ行って診察を受けてみましょう。「細隙灯(さいげきとう)顕微鏡」という特殊な顕微鏡で水晶体の状態を調べてもらえば、白内障を発症しているかどうか簡単に知ることができます。
白内障かどうかを診断するための検査は、眼科であれば全国どこでも受けられます。ですから自宅に近い場所、交通の便の良い場所などにある医療機関から選んでも構いませんが、もし選択の余地があるのなら、実際に白内障手術を行っている眼科を選ぶのも良いでしょう。
白内障かどうかを診断するには検査を受けるだけですから、実際に手術を行っているかどうかは関係ないと思われるかもしれません。しかし、手術を行っていない眼科では白内障を発症していても、視力の低下のみを進行度の判断基準にする傾向があります。この場合の進行度とは「手術が必要なほど進行しているか」、あるいは「まだ手術をしなくてもよい程度の白内障か」といった意味です。
つまり視力が0.5か、1.0かなどの数値のみを重要視して、これは手術が必要な程度の白内障、こちらはまだ進行していない白内障というような判断を下してしまいやすいのです。白内障はこれまで見てきたように、眼のかすみやまぶしさ、物がダブって見える、にじんで見えるなど、いろいろな症状が起こり得る病気です。視力の数値がそれほど低下していなくても、それらの症状が日常の視覚生活を不自由にさせているかもしれません。
できることなら手術を含む白内障治療を日常的に行い、白内障について熟知している眼科で検査を受けたほうがいいでしょう。そのほうが患者さん個々の白内障の特徴や、今後に予測される進行の過程なども専門家の立場で的確にアドバイスをしてくれると思います。