
本記事では書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「こころの問題」についてひも解いていきます。
子どもの時からコミュニケーションのとり方を学ばせる
学生時代は、積極的に他人と関わらなくても生活を送れるのですが、仕事では、そうはいきません。社会人になると、いろいろな人たちと関わり合って、物事を進めていく機会が増えていきます。そのような時に、発達障がいの症状が邪魔をして、うまく周りの社員と馴染めず、自分の能力を発揮できないまま、職を転々としてしまいやすいのです。
そうならないために、子どもの時からコミュニケーションのとり方を学ばせ、他人と接する機会を与えるように心がけてほしいのです。
確かに、発達障がいのお子さんにとっては苦手なことかもしれませんが、コミュニケーション能力はテクニックや経験で伸ばせるものです。
コミュニケーション能力を身につけるには、まずはお子さんの発達障がいの特性を知り、症状を抑制することです。そして次に理解者を作り、会話する経験を積ませ、他人とのコミュニケーションに苦手意識を持たせないようにします。
IQ150の天才少年…周りからクレームが絶えなかった
以前、私のクリニックに通っている、B君というお子さんがいました。B君はIQが150以上あり、実際頭の回転がとても速く、こんなに頭のいいお子さんがなぜ受診するのかと疑問を覚えました。主訴は、「友達とのトラブル、物の管理ができない、書写(書くの)が苦手、多動、不注意」といったものです。

2歳の時から、一緒に遊んでいるお子さんに砂をかけたり、洋服の中に砂や草を入れたりするなど、周りの親からのクレームが絶えなかったそうです。さまざまな話や検査をした結果、次のような告知をしました。
「友達とのトラブルが多い点、発達チェックリストから見ると、高機能自閉スペクトラム症だということがわかります。そして、物の管理ができないことや多動、不注意はADHDによるものでしょう。ADHDかどうかはADHDチェックリストを見てからの判断になります」
後日、予想通り、高機能自閉スペクトラム症にADHDが併存していることがわかり、ADHDの投薬による治療が開始されました。治療して1カ月後。
「先日、児童館に迎えに行ったら宿題を終えた満足感で、ニコニコしてやってきたのです。今までそんなことはなかったので驚きました。帰りの車の中も、いつもはうるさかったのにおとなしくなりました。それまでやらなかった書写も、イヤイヤながらもやるようになりました」
薬の効果が現れ、母親は喜んでいました。症状に改善が見られたので、次は理解者作りです。幸いB君は、特別支援学級の先生とは仲良しで、慕っているようでした。
母親と特別支援学級の先生とで相談し、私も会うことにしました。
私はその先生に彼のよき理解者になってくれるように頼み、優しく、丁寧に、具体的に、肯定文で接するようアドバイスを加え、今後のサポートをお願いしたのです。先生は、非常に協力的で、慎重かつ積極的にB君と接してくれるようになりました。
その甲斐もあってか、B君の症状はますます改善され、他のお子さんともうまく接するようになり、私ともコミュニケーションをとるようになっていったのです。
鈴木 直光
筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医博士(医学)
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