何も材料がなくても株価が上下するのは、本当か?
ここまで、材料によって株価が上下する仕組みを説明してきました。しかしながら、もう1点注意しておかなければならないことがあります。
それは、材料がなくても株価は動く、という点です。
ファイナンス理論の1つに、「ランダムウォーク理論」というものがあります。これは簡単にいえば、「株価の値動きはランダムで、上昇と下降の可能性がほぼ同じである」という理論です。
あくまで理論であり賛否両論もある考え方なのですが、ある程度経験のある投資家の方でしたら、この理論がある程度は正しいということを感じているのではないでしょうか。
株価というのは、過去の実績も将来の予測も織り込んで形成されています。そんな株価が、上がるか下がるかは、確かにランダムであるようにも感じられるのではないでしょうか。
一方で、比較的大きな値動きがあった時に、メディアはそれに理由をつけようとすることが多いようです。例えば、「A社を買収することが決まり、それが評価されて上がった」「大雨による被害で業績悪化が懸念されて下がった」「上昇が続いていたので利益確定のための売りが続出した」などです。
しかし、実はそれは単なる後付けで、本当に因果関係があるかどうかはわかりません。
株価は材料によって上下します。しかし、材料がなくても上下するということは、覚えておいた方が良いでしょう。
■まとめ
株価は、業績発表の他、様々なニュースを材料として上下します。
一方で、特に材料がなくても上下します。
それを覚えておき、上手に利用することで、投資家の売買タイミングも研ぎ澄まされていくのではないでしょうか。