「指値注文」か「成り行き注文」か、株式投資の経験が浅い人はよくわからずに、なんとなく選んでいるのではないでしょうか。成り行き注文は、予想外の価格で約定してしまうことがありますが、場合によってはとても便利な注文方法です。では、どんな時に成り行き注文が適しているのか、考えてみましょう。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

成り行き注文では価格に一定のランダム性が生まれる

株売買では主に、価格を指定する「指値注文」と、自動的に価格が決まる「成り行き注文」があります。

 

指値注文では、投資家は売買したい価格を指定します。そしてその価格で取引をしてくれる別の投資家がいた時のみ、注文が成立します。この指値注文の場合、価格を自ら決められるメリットがある一方で、もし取引相手がいなければ売買が成立しない、というデメリットも存在します。

 

逆に成り行き注文では、投資家は売買価格を指定しません。自分がその株を買いたいと思った時に、1000円で売ってくれる人がいれば1000円での買いとなりますし、1000円の人がおらず1001円の人がいれば、1001円での買いとなります。そして売る場合も、それは同様となります。注文を成立させることが最優先され、価格は文字通り「成り行き」で決まるのが、成り行き注文なのです。

 

そしてこの成り行き注文の場合、約定価格に一定のランダム性が存在することがおわかりだと思いますが、そのランダム性が、時として便利に利用できるのです。

十分に確信の持てる銘柄を買う時は、成り行き注文で

投資家の多くは、「この銘柄の株価はXX円ぐらいが妥当」と価値評価をしてから株を買うことでしょう。しかし、「厳密にロ円だ」と1円単位で価値評価をする人は、あまりいないのではないでしょうか。というのも、企業のことや未来のこと、そしてそれにふさわしい株価を、正確無比に予測できる人などいないのですから。

 

ただし、値上がりを期待して買うという点では、みな共通のはずです。

 

ですから、十分に確信の持てる銘柄を買う場合は、一定範囲内の価格で買えればよいと割り切って素早く購入し、その後の値上がりを楽しみに待っていればよいのではないでしょうか。

 

そしてその場合は、購入価格にこだわっていつまでも買えない状況に陥るのは、むしろ時間や労力の無駄となります。また、注文が成立しない状況が長引き、その間に値上がりしてしまえば、それこそまさに本末転倒です。

 

あまり確信の持てない株の場合、指値にこだわるのもよいと思います。「この価格で買えなければ、その後価格が下がる可能性があり、それが心配だ」というならば、そうすればよいでしょう。

 

しかし、「この株は必ず(非常に高い確率で)上がる!」と十分に確信の持てる銘柄ならば、成り行き注文でさっさと購入し、価格は運に任せてしまえばよいのではないでしょうか。

前述のとおり、もともと1円単位での価値評価をしていることはないでしょうし、予想外に安く買える場合もあるのですから。

 

思わず、ガッツポーズ(※画像はイメージです/PIXTA)
思わず、ガッツポーズ(※画像はイメージです/PIXTA)

 

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