離婚したいと意思表示しても、配偶者が離婚に応じてくれないというケースは少なくありません。今回は実例を基に、訴訟時にどの程度の別居期間があれば離婚が認められる可能性があるのか、見ていきましょう。

別居3年目、調停しても離婚してくれない夫…

Q.結婚して10年になりますが、夫との考え方の違いに耐えきれなくなり、夫に離婚を申し入れましたが、夫はまったく聞く耳を持ってくれません。


弁護士に相談したところ、「離婚をするためには、別居して調停を申し立てた方が良い」とアドバイスされましたので、別居して家庭裁判所に調停を申し立てましたが、それでも夫は離婚に応じてくれず調停は終わってしまいました。


弁護士からは「後は離婚訴訟を起こすしか無い」といわれています。夫と別居してもう3年以上になりますが、裁判を起こせば離婚は認められるのでしょうか。

 

3年別居で離婚はできるのか…(画像はイメージです/PIXTA)
「3年別居」で離婚できるのか…(画像はイメージです/PIXTA)

 

A.不倫やDV行為などではなく、性格の不一致を理由に離婚するためには

 

「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法770条1項5号)

 

というものが認められなければなりません。これは、簡単にいえば、夫婦関係が破綻して回復の見込みがない状態である、ということです。性格の不一致を理由とした離婚請求の場合に、この「夫婦関係が破綻して回復の見込みがない状態」というのを第三者である裁判官が判断することはとても困難です。

 

たとえば「喧嘩するほど仲が良い」という格言もあるように、表向きは相手を激しく非難していても内心はわかりませんし、どちらか一方が離婚を望んでおらず復縁を働きかけているような場合には、第三者からすれば「もしかしたらよりを戻す可能性があるのでは」とも考えてしまうからです。

 

そのため、離婚訴訟においては、夫婦関係が破綻して回復の見込みがない状態か否かを判断するために、別居期間が相当長期に渡っているか否かという点を非常に重視する傾向にあります。

 

夫婦の別居期間が長ければ長いほど、第三者である裁判官から見ても「夫婦の関係はもう回復不可能なほどに破綻している」と判断することが容易だからです。では、その別居期間はどの程度の長さがあれば、離婚が認められる方向に傾くのでしょうか。

 

結論からいいますと、「この期間であれば必ず離婚が認められる」という基準はありません。別居期間が2年程度でみとめられる場合もあれば、3年でも認められない場合もあり、まさにケースバイケースです。

 

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