争族、離婚トラブル、労働問題…弁護士事務所には今日も様々な相談が舞い込みます。そこで本連載では、弁護士法人アズバーズ代表の櫻井俊宏氏が、実際に寄せられたトラブル事例を紹介し、具体的な対策を解説します。 ※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

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「どちらさまですか」「警察のものですが」…え!?

すべてが順調だったある日。ピンポーンと、家に誰か来ました。

 

「はい、どちらさまですか」

 

「△署ですが。あなたが売っているという○のシールについて、お聞きしたいのですが」

 

(警察!? 4人もいる! どうなっちゃうんだろう……)

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

2.著作権とは

 

著作権や特許権、商標権等の人間の知的活動から生まれた成果について創作者に与えられる権利を知的財産権といいます。

 

著作権とは、知的財産権のうちのひとつであり、文化的創作についてほかの人に使われない権利(「排他的支配権」ともいいます)を与えられる権利です。商標権のような工業的な権利とは違い、小説や絵画をはじめとした文化的な活動に与えられています。

 

著作権は、基本的に商標権や特許権とは違い、登録等をしなくても創作されたときに権利が発生します。

 

本事例においてはInstagramに載せているだけでも、Vにはネコタンの絵や文章について著作権が発生しているといえます(もっとも著作権は「思想又は感情を創作的に表現したもの」<著作権法2条>でなくてはならず、一定の創作的なレベルに達していなければ発生しません)。

 

ここで問題となるのは、まず作品内の「キャラクター」というものに著作権が発生するかどうかです。

 

 

3.キャラクターの著作権

 

最高裁平成9年7月17日のポパイネクタイ事件は、「キャラクターといわれるものは、漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって、具体的表現そのものではなく、それ自体が思想又は感情を創作的に表現したものということができない」として、キャラクター自体に著作権が生じないことを原則としています。しかし、この件においても、個々の絵については著作権侵害が成立しうることが述べられています。

 

だとすると、キャラクターをパクられた場合であっても、そのキャラクター性で著作権侵害を主張するのではなく、個々の「絵画」(著作権法10条1項4号)に関する美術の著作権を検討することになります。

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