争族、離婚トラブル、労働問題…弁護士事務所には今日も様々な相談が舞い込みます。そこで本連載では、弁護士法人アズバーズ代表の櫻井俊宏氏が、実際に寄せられたトラブル事例を紹介し、具体的な対策を解説します。 ※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

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「離婚したい」と伝えられて半年。養育費をめぐり…

1 嘘つきの元夫をギャフンと言わせた!

 

「わかったわ」

 

離婚したいと言われて半年、話し合いを重ねた末ようやく決着がつきました。元夫から離婚の提案をしてきたため、子供の養育費は、比較的高めな10万円となりました。離婚の内容は公証役場で公正証書にしてもらいました。

 

ところが…

 

「また入ってない!」

 

最初の2ヵ月は養育費が入っていたのですが、その後、元夫は「お金がないんだ。しばらく減額してくれないか」と言って、5万円しか払ってきません。次第にその額ですら支払いが滞りがちになりました。

 

そして、ついに元夫とは連絡がとれなくなりました。共通の知人の話では再婚したそうです。最近では養育費はまったく支払われません。もう未払の合計は200万円近くになり、私の生活も苦しくなっています。やむを得ず、弁護士に相談に行きました。

 

「元夫が子供の養育費を払ってくれないんです。どうにかお金をもうらう方法はないでしょうか?」

 

元夫はバイクが趣味で散財がひどく、お金を貯めるような人ではありませんでした。養育費を支払えない環境なのかもしれませんが、こっちだって日々の暮らしがかかっています。藁にも縋る思いで尋ねると、意外な答えが返ってきました。

 

「給料を差し押さえることができますよ」

「ただし、給料額の2分の1までです」

 

元夫は銀行に勤めています。その給料に関し、弁護士により差押の手続が行われました。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

 

間もなく、差押が成功したようです。元夫からしつこく電話が来ました。しかし、私は弁護士に言われたように電話に出ませんでした。

 

するとLINEが来ました。

 

「給料の2分の1も取られては生活できない。しかも給料を差し押さえられているなんて会社での立場もない。15万円を毎月支払うから、頼むから取り下げてくれ」

 

そんなの今更信じられるわけありません。いい気味です。

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