わが子の学力を上げるにはどうすればよいのでしょうか? 家庭で手軽に実践でき、自主的に勉強する習慣が付く方法を紹介。※本連載は、桜ゼミナール塾長、チャイルドコーチングアドバイザーの安村知倫氏の著書『子どもの成績を「伸ばす親」と「伸ばせない親」の習慣』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

どの教科も、苦手克服のカギは「音読」

勉強する際、音読が効果的だと言われています。音読することで、脳にある理解や記憶させるためのエンジンをかけることができるからです。つまり、何かを理解するにも記憶するにも、言葉や文章をスラスラ読めることが前提になるのです。

 

ですから、勉強が好きではない子、特定の教科が苦手な子、勉強の取りかかりが遅い子には「まず音読」を習慣にしていただきたいのです。

 

音読することで記憶に残りやすくなる。
音読することで記憶に定着しやすくなる。(※写真はイメージです/PIXTA) 

 

例えば学校から「ノートに漢字を10回ずつ練習してくる」といった宿題が出たら、小さな声で読みながら書く練習をさせてください。

 

漢字のような暗記ものは、自分の声を自分の耳で聞くので、黙って練習するより記憶に残りやすくなります。

 

算数でも同じように音読は重要です。文章題が苦手な子には、問題文をスラスラ読めない子が多くいます。これは文章の意味を理解できていない証拠です。

 

「どう考えればいいか」や「どんな式になるのか」を考える以前に、問題の理解でつまずいてしまっているのです。もしお子さんにわからない言葉があったら、イライラせずに教えてあげてください。高学年のお子さんには、自分で国語辞典を引いて調べさせましょう。

 

国語や算数に限らず、理科でも社会でも教科書をスラスラ読むことは、内容を理解するための第一歩です。国語や英語などの言語教科は、代表といえます。

 

苦手教科もスラスラ音読ができるようになれば、自信がつき、それをきっかけに苦手意識が小さくなるでしょう。

 

実は私の息子も小学生時代に英語に苦手意識を持っていましたが、音読練習をたくさんして短文の暗唱ができるようになると、英語が好きになりました。

「全身を使って学ぶ」…成績が伸びる子の勉強パターン

とはいえ、例えば「飲」という字を暗記させることができても、実際の場面で使えなくては学力が高いとはいえません。子どもにとっても「とにかく10回書く」だけでは、漢字練習が苦行のようになってしまいます。状況に応じて言葉を使えるようにするために、例文で覚えるようにしてください。

 

漢字であれば、日本標準が開発した「漢字歌」はいかがでしょうか。漢字歌とは、五七五のリズムに乗せて1つの漢字の音訓を同時に覚える方法です。

 

「飲みたいな、とても冷たい飲料水」であれば、「飲む」と「飲(いん)」の2つの読み方を覚えられて、漢字の使い方もわかります。子どもに漢字歌をつくらせてみると、思った以上に楽しんでくれますよ。

 

目で見たものを頭で理解し、口で声に出して読み、耳でそれを聞き、手を動かして練習するのが、成績の伸びる子どもの勉強パターンなのです。

 

身体の多くの部分を使うほど覚えやすく、お子さんの学力も伸びます。子どもがひたすらノートに書いて練習しているときは、口も耳も使うと効果的だとアドバイスしてあげてください。

 

良い例:「最初に声に出してみようか?」

悪い例:「ノートにいっぱい書きなさい」

 

【まとめ】

伸ばす親は、どんな教科もまずは音読から始める!

 

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子どもの成績を「伸ばす親」と「伸ばせない親」の習慣

子どもの成績を「伸ばす親」と「伸ばせない親」の習慣

安村 知倫

明日香出版社

親子で力を合わせれば、どんな子も成績が伸びる! 教え方を変えれば、苦手科目も得意に変わる! 「うちの子は集中力がない」 「苦手科目の成績を伸ばしたい」 「応用問題になるとできなくなる…」 「うちの子の成績を…

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