子どもが「教えたばかりのこと」を忘れる根本的な原因
ついこの前も教えたばかりなのに、同じところを間違えている。
テスト前に復習して覚えたのに、テスト本番では忘れてしまった。
そんなことがあれば、「この前もやったじゃない! もう忘れたの?」とつい言ってしまうかもしれません。
多くの子どもたちを教えてきて実感するのですが、子どもは大人が思っている以上のスピードで、教えたことを忘れてしまいます。ほんの1週間前に教えたことを子どもが忘れてしまうのは、ごく普通のことです。
早く忘れたからといって、決してお子さんの記憶力が悪いわけではありません。忘れてしまうのは、脳がもともと忘れる性質を持っているからです。
例えば、あなたは1週間前の夕食で何を食べたか覚えているでしょうか? おそらく多くの方が覚えていないと思います。なぜ覚えていないかというと、覚えようと脳が意識していなかったからです。
食事だけでなく、これまで生きてきた日々の出来事をすべて脳が記憶していては、脳がパンクしてしまいますね。何かを記憶しようとしたら、脳に「これは大事だから覚えようね」とサインを送ることが必要なのです。
記憶の定着度を高める2つの方法
脳に意識的に記憶させる方法が2つあります。
1つは、強い感情と一緒に記憶すること。これまで感動した景色や嬉しかった瞬間、悲しかった思い出は、長く記憶に残っていると思います。心が動くと、その時の記憶も強く印象に残るからです。
子どもの勉強でも「なるほど!」「わかった!」「できた!」と、心も一緒に動いたことは、なかなか忘れない記憶になります。
ただ、勉強で感動する機会はそんなに多くないでしょう。お子さんにとって興味のある分野ばかりならいいのですが、関心の低い分野では心も動きません。
そこでどんな分野でも記憶を強くするのが、2つ目の方法「反復して覚える」です。反復して覚えるのは王道中の王道ですが、子どもは1回で覚えられないのが当たり前で、すぐ忘れてしまうものだということをいつも心にとどめておいてください。
「この前やったばかりなのに!」と叱っても、子どもは委縮するだけです。お子さんが同じ問題を間違えても「これで普通」と考え、「忘れちゃったら、もう1回解き直せば大丈夫だよ」と教えてあげてください。そうやって2回、3回と反復することで、記憶が強くなっていきます。脳は何度も反復されたことを記憶するような仕組みになっているからです。
長期的に覚えるには、同じ問題を3回繰り返すのを目安とするといいでしょう。お子さんが初めて学校に通ったときに「ちゃんと1人で行けるかな」と心配した通学路も、3日目くらいには自然に覚えてしまったのと同じですね。
子どもは同じことを3回やって身につけていくと考え、あなたが笑顔で応援してあげると、お子さんは自信を持って勉強に取り組むことができます。
良い例:「3回やればできるようになるわよ」
悪い例:「この前もやったじゃない! もう忘れたの?」
【まとめ】
伸ばす親は、子どもが忘れても普通のことと考える!
安村 知倫
桜ゼミナール塾長
チャイルドコーチングアドバイザー
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