「仕方なかったんです…」社会ルールを破った会社員の言い分

脳が疲れ情報を処理しきれなかったとき、ながら行動のとき、気持ちが焦ったときなどに、思いもよらないミスをしてしまうことがあります。ヒューマンエラーを防止するには、活動の流れを追って「要因」を見つけ出すことが重要なのです。※本記事は化学系会社にて5年間ISO規格の品質及び環境マネジメント事務局を担当していた尾﨑裕氏の書籍『ヒューマンエラー防止対策』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。

安全違反やコンプライアンス違反が無くならないワケ

『社内調査問題見抜けず』

 

これは、ある日の新聞に掲載された不正問題に関する記事の見出しです。今、企業における検査不正問題が、テレビや新聞で頻繁に報じられています。

 

これらの報道の中では、「検査結果が規格を満たしていなかったが、その製品を分解し改善するために5時間程度時間にロスが生じるため、データを改ざんし、そのまま出荷をした」、「この会社では、検査員が1人で出荷判定を行っており、以前から改ざんはあった」、「(生産)ラインの流れが速く、確認項目を全て確認するには時間が足りないので……」、「(生産)ラインが詰まってしまうと上司からせかされる」などなど、不正問題を扱った記事には、様々な現場のコトバが記載されています。

 

このように、社会で発生する問題には、安全違反や、コンプライアンス違反など、状況は違いますが、そこには“人が意図的に、社会ルールから逸脱した行いをする”という共通点があります。そしてこの行動のことを“リスクテイキング行動”や“不安全行動”などと呼んでいます。

 

意図的なルール違反、「リスクテイキング行動」 (画像はイメージです/PIXTA)
意図的なルール違反、「リスクテイキング行動」
(画像はイメージです/PIXTA)

リスクテイキング行動とヒューマンエラーの相違点

それでは、“リスクテイキング行動”と先に取り上げた“ヒューマンエラー”とでは、どこが違うのでしょうか。ヒューマンエラーはうっかりと行ってしまうものです。“事故やトラブルのキッカケになる人間の間違い”すなわち、本人の意図した結果とは違う行動・結果を招くものです。

 

それに対してリスクテイキング行動は、意図されたもの、行動する本人が思考を重ね、出した結論をその通りに誤りなく実行するものです。つまり、リスクテイキング行動とは、その思考の結果出した答えを間違えることなく行う“ルールからの逸脱行動”なのです。そして「リスクテイキング行動は、ヒューマンエラーと並ぶ事故や労働災害の2大原因の1つだ」と言われています。

 

人が意図的に行うか否かの観点においては、ヒューマンエラーとリスクテイキング行動とは、全く正反対のものです。しかし、他の者がこれらの行動を見た場合に、当人の行為の中に“自覚があるのかないのか”の見分けはつきにくいものです。

 

従って防止対策を考えるときには、お互いの行動理由や特徴をしっかりと理解し、意識的な行動なのか無意識的な行動なのかを見極めることが必要です。正しく判断することで、それぞれに適した防止対策につなげることができるのです。いわば“分水嶺のどちらに位置しているのかをハッキリと見極める”そのことが防止対策を検討するうえでのポイントになります。

 

では、どのような理由で、人はリスクテイキング行動を取ってしまうのでしょうか。それを理解するためのモデルがあります。

 

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大学卒業後、化学系会社に就職。研究開発・建設技術・生産等の職務を経験。退職前の5年間ISO規格の品質及び環境マネジメント事務局担当。この時期にヒューマンエラー防止の重要性を痛感する。
これまでの経験と知見を基に、組織とそこに携わる人との“あるべき姿”から導いた次世代の「ヒューマンエラー防止対策」を提案。

著者紹介

連載ヒューマンエラー防止対策

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