市谷砂土原町は全体的に低層の高級マンションが多いですが、市谷砂土原町3丁目は武家屋敷を由来とする広い敷地のお屋敷が建ち並ぶエリア。“元祖山手”と称される高級住宅地だった市谷の系譜を継ぐ、品格と落ち着きがあります。
10階以下の高級レジデンスが主体の高級住宅街
武家屋敷町に由来し、元祖山手の名残を色濃く残す「市谷砂土原町」。防衛庁、都心立地型の大学キャンパス、そしてオフィス街といったイメージの強い市ヶ谷に、ひっそりとたたずむ高級住宅地に住む人々とは。国勢調査(2015年)などの結果から、その傾向を紐解いていきます。
新宿区市谷砂土原町1~3丁目に住んでいるのは1,629人で人口密度は18,100人/km2。邸宅を中心とした成城や田園調布といった高級住宅地は5,000~8,000/km2といわれていますが、市谷砂土原町は低中層の高級マンションが多く、人口密度にもその傾向が表れています。年齢構成をみていくと、15歳未満が13.5%、15~64歳が64.5%、65歳以上が17.8%と、現役世代のファミリー層が多く住んでいます。また前出の通り、場所柄、外国人の居住が多く、全体の11.9%を占めています。
また世帯数は826世帯で、そのうち単身世帯は404世帯で、単身者率は49.0%。そのうち65歳以上の単身高齢者世帯を除くと、41.65%となります。交通利便性の高い「市ヶ谷」から近いことから、現役の単身者層からも支持されているエリアだといえるでしょう。さらに18歳未満の子どもがいる家庭は267世帯で、3割ほどが子育て世帯です。
持ち家率は57.0%。住居のうち、戸建ての割合は13.8%。市谷砂土原町は「高級住宅地=大邸宅が建ち並ぶ」というイメージとは異なり、高級マンション主体の東京都心型の高級住宅地といえそうです。さらに細かくみていくと、戸建ての割合は1丁目は23.0%、3丁目は19.3%となっている一方で、2丁目には一戸建てがほぼなく、マンションで占められています。またマンションは3~5階建てが最も多く62.3%、6~10階建ては29.9%。11階建て以上のマンションは5.0%しかありません。