
日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「市区町村別に平均所得」をみていきます。
第9位、北海道の辺境の村…何で稼いでいるのか?
そして第9位にランクインしたのが、「北海道猿払村」で620.3万円。そもそも「猿払ってどこだ?」「どのように読めばいい?」…と疑問でいっぱいになるでしょうが、「さるふつむら」は北海道北部、宗谷地方。オホーツク海に面し、日本の最北である稚内の南に位置します。人口は3,000人弱。北海道出身でも縁がなければ正確な位置をいえない人も多く、決してメジャーな村とはいえません。

しかし隣町出身の人がいうには「猿払には高級車を乗り回す人も多いね」とのこと。実際にお金持ちが多く住んでいるようです。
ではなぜこのような辺境の村に高所得の人が多いのでしょうか。その鍵を握るのが「ホタテ」。実は猿払村、日本有数のホタテ水揚げ量を誇る村として知られています。
そのように聞くと「なんだ、自然の恵かぁ」と思いがちですが、以前は乱獲によって漁獲高が激減。村の財政も困窮を極めたといいます。そんななか、漁業組合が取り組んだのが「獲る漁業」から「育てる漁業」への転換です。研究者や専門機関の指導により、ホタテの増殖事業を推進していきました。それによって、猿払村の漁獲量は驚異的に回復。いまや、日本有数の平均年収を誇る村になりました。
ちなみに、あのお馴染みの弁当に入っているシュウマイにも、猿払産のホタテが使われているそうです。
ランキングからは確かに東京一極集中の傾向はみられるものの、地域それぞれの事情、人々の努力によって「お金持ち」になっていく姿が垣間見ることができます。

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