男女では?学歴では?地域では?会社員の給料の実態
――なかなか給料が増えていかない。
そんな愚痴が止まらない人も多いのではないでしょうか。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、2019年、男性会社員の賃金は33万8,000円(年齢43.8歳、勤続年数13.8年)となっていますが、10年前の2009年は32万6,800円と、1万円ほど賃金があがっています。
しかし、本当に「給料は増えている」のでしょうか。そうとは言い切れません。さらに10年ほど前、2000年の同条件の賃金をみていくと、33万6,800円。20年でたった1,200円しかアップしていない……これが現状です。
2000年代の日本は、ITバブルが弾け、リーマンショックに襲われ、大震災が起き……と、苦難の連続でした。昨今はアベノミクス、インバウンド需要の増加、そして東京五輪と、景気のいい話が続いていましたが、2020年、新型コロナが世界に拡大し、すべてが吹っ飛びました。給与があがっていかないのも、納得感があります。
賃金について、をもう少し細かくみていきましょう。男女別にみていくと、賃金格差は男性を100とすると女性は74。その差は比較可能な1976年以降、最少となっています。まだまだ性差による賃金格差はありますが、年々縮小傾向にあります。また賃金カーブをみていくと、男性では50~ 54 歳で42万3,700円で、女性も 50~54 歳で27万5,800円でピークに達しています。
次に学歴別にみていくと、男性の場合、大学・大学院卒が40万500円、高専・短大卒が31万4,900円、高校卒が29万2,900円で、大学・大学院卒の賃金カーブが大きくなっています。少子化が進み、「大学全入時代」と言われていますが、よりよい給料を望むのであれば、大学卒のほうが可能性は高いのです。
企業規模別にみていくと、男性の場合、大企業(常用労働者 1,000人以上)が38万300円、中企業(常用労働者100~999人)が32万3,200円、小企業(常用労働者10~99人)が29万7,100円。大企業を100とすると、中企業が85、小企業が78。「これからは会社の大きい/小さいは関係ない」と言われても、やはり大企業志向になるのは、仕方がないことかもしれません。