コロナ禍で人々の関心はどう変わっていったのか?
10月1日から、「GO TO トラベル」キャンペーンに東京が追加されました。まだまだコロナ禍の収束がみえないなかでの対象地域拡大に賛否の声があがっていますが、「旅行・観光」に対する関心は高まっているようです。
新型コロナウイルス感染症の地域経済に与える影響を見える化したVリーサスによると、「旅行・観光」に関するインターネットの検索は、今年3月第2週以来、ずっと前年比マイナスが続いています。前年比マイナスのピークは、今年5月で-60%を記録。ちょうど緊急事態宣言のまっただなかで、人々の関心が旅行や観光にまったく向いていなかったときです。
その後緩やかに回復傾向にあり、「GO TO トラベル」キャンペーンが開始する7月3週には、前年比-19%まで回復しました。その後再び下降トレンドに入りましたが、東京追加の見通しが立ち始めると、8月第5週-40%、9月第1週-32%、9月第2週-26%と、確実に関心の度合いが増していっています。
このように、このコロナ禍で人々の関心が薄れたものもあれば、関心を集めたものもあります。そのひとつが「お金まわりのこと」です。
コロナの不安感で「金融・投資」への関心がアップ
昨今、お金に対する関心は高まっていることは、誰もが実感するところ。その発端となったのは、昨年のいわゆる「老後資金2,000万円問題」ではないでしょうか。金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループによる「夫65歳以上、妻60歳以上で無職の夫婦世帯が安心して老後を生きるためには、年金とは別に、約2,000万円の資金が必要になる」という報告書です。
これによりさまざまな議論が交わされました。「贅沢しなければ、公的年金だけで足りる」という論者がいれば、「2,000万円の資金では、余裕ある余生は過ごせない」という論者もいました。「実際に必要な老後資金は5,000万円だ」「いや8,000万円は必要だ」と、さまざまな意見がぶつかり合い、多くの人が不安になったことでしょう。その不安をかき消すように「どうすれば老後資金をつくれるか」、試行錯誤する人々が増えたのです。