コロナ禍で進むアナログからデジタルへの急速な移行
新型コロナウイルスによって人々の生活様式が劇的に変化し、アナログからデジタル化が進みました。世の中の流れとして、在宅勤務が増え、デジタル化としてペーパレスが進みました。
たとえば、最近では、政府は契約書で押印は必ずしも必要ないとの見解を示しました。また、みずほ銀行では、紙の預金通帳の有料化が発表されました。政府やメガバンクがこのような方針を打ち出したことからも、この流れは今後も増加していくと推測されます。
相続税申告では、相続人は年配の方のケースが多く、申告のお手伝いのなかでは、対面での面談が主流でした。しかし電話やWEB面談の機会が非常に増え、相続税においても電子申告が導入されています。
デジタル遺品がもたらす相続税申告への影響
相続税の申告では、故人の膨大な情報を相続人が把握していかなくてはいけませんし、下記のような非常に多くの煩雑な資料を集める必要があります。
・不動産関係書類(路線価図、謄本、名寄帳、公図等)
・金融機関の通帳、残高証明書
・生命保険証券、支払通知
・債務、葬儀関係の資料
・贈与税の申告書
・過去の所得税の申告書 他
コロナ禍以前から相続税申告のためには、自分が管理していなかった書類を集めなくてはいけないため、その労力やハードルは非常に大きかったといえます。
従来のように書面保管されていれば、故人の自宅を家探しすれば何とか見つけることができますが、スマホやPC、ハードディスク等で管理されていたらどうでしょうか。
本人確認やセキュリティがかかっているため、相続人が故人の情報を把握するハードルは上がり、多大な時間を要し、財産の計上漏れというリスクも生じます。