ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

手数料一本で営業する会社は信用できない理由

ウェブマーケティングは売上を伸ばすための、まさに攻めの経営手段です。そこを考えていない経営コンサルタントの提案を鵜呑みにして予算を減らすと、効果的なウェブマーケティングができなくなってしまいます。

 

せっかく成長できるチャンスやポテンシャルがあるにもかかわらず、口だけ出して実践力のない経営コンサルタントはウェブマーケティングに関する経験や専門知識もないのに成長の芽を潰すことがあるので慎重に判断してください。

 

◇運用代行手数料、月次レポートの内容

 

●安かろう、悪かろうの代理店を絶対に選んではいけない

 

後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)
後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)

SEOの場合、どんなキーワードかによって変わりますが、費用は月に数十万円と見ておくのがよいでしょう。きちんとやってくれるSEO会社であれば、それぐらいはかかってしまいます。逆に何をしているか分からないが月に1回訪問してくるだけでこの金額だと、いかにも高いという印象です。

 

リスティング広告の場合、手数料が相場よりも逆に安過ぎるところは、かえって心配です。ときには10%を切って、5%とかで売り込んできます。広告予算が月100万円でも、手数料は10万円以下にしかなりません。まして5万円で何ができるのか、聞いてみたくなります。安さで勝負するところは、営業に来ると今の手数料を聞いてきて、うちはそれ以下でやるというトークで攻めてきます。こんな運用ができるとか、この会社がウェブ広告でこれだけ売上を伸ばすことができたという話は一切なく、手数料一本で押してくるところは中身がなく、なにもできませんと最初から言ってしまっているようなものです。当然、信用することもできません。

 

競争相手が出てくると、どんどん手数料を下げる広告代理店もあります。不安になって値下げすると、その分サービスの質も下げなければならなくなります。彼らがウェブマーケティングって安い手数料でもできるものなんだという認識を、業界に広めてしまっています。手数料5%の代理店から20%のところに替えると、費用は前よりもかかります。しかし商品の売上が2倍、3倍になれば、手数料の差額はたいした問題ではなくなります。また手数料10%の入社1、2年目の社員と、20%の10年以上のベテランとでは、どちらを選ぶのがいいでしょうか。よい結果が期待できるのは後者の方で、経験が浅くて売上が伸ばせなければたとえ10%の手数料でも無駄になります。

 

さらに20%の手数料のベテランが、今狙っているターゲットのほかに、このあたりも狙ってみればもっとコンバージョンが取れるはずではと気づいて提案してくれれば、事業領域の拡大ができます。一歩踏み込んだ仕事をしてくれると、経営戦略上もプラスになり、いろいろなノウハウが社内に蓄積されていきます。20%の手数料の中にはネット広告の運用代行だけでなく、付加価値も含まれていることになります。

次ページ月次レポートにも現れる会社の良し悪し
増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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