日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、「高齢者ドライバー」についてみていきます。

内閣府による「高齢者の・経済・生活環境による調査」(2016年)によると、日常の買い物に行く際の交通手段として、全体では「自分で自動車等を運転」が55.6%とトップ。交通機関が発達し自動車が少数派の大都市圏でも「自分で自動車等を運転」は32.9%と、3割を超えます。さらに町村に限れば、67.1%と7割近くが自身で車を運転すると回答しています。

 

交通能が未熟な地方では、自家用車は生活に欠かせないインフラ。「車がないと暮らしていけない」という地域が日本には多いのです。このような事情を顧みず、ただ免許返納の大合唱は、正義とはいえないでしょう。

 

免許返納を促すのであれば、同時に、コミュニティバスやデマンドタクシーの充実など、車がなくても快適に暮らしていける仕組みづくり、街づくりを進めなけばならないでしょう。

 

また高齢者増加で考えたいのが、高齢者が巻き込まれる交通事故です。警視庁によると、交通事故による死亡者のうち、高齢者が占める割合は、2007年47.4%で2016年54.8%と増加傾向にあります。また死亡交通事故の状態別の死者のうち高齢者の割合は、歩行者では73.7%、自転車乗車中が67.2%と高い水準にあります。

 

歩行中の死亡事故の要因で最も多いのが、高齢歩行者による法令違反。一時不停止や信号無視等、横断禁止場所の横断、斜め横断、横断歩道以外の横断など、加齢による身体機能の変化や判断力の低下などが考えられます。

 

高齢化が急激に進むなか、高齢ドライバーがどうすれば事故を起こさなくてもすむのかを考えることはもちろん、高齢者を交通事故に巻き込まないための対策も急務だといえます。

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