先週、米ドル/円は小動きだったものの、ユーロ/米ドルは一時1.18米ドル割れと反落しました。FX開始直後から第一線で活動している、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、「FOMCを前後して、米国株安の流れがどうなるか」が、為替相場のカギを握っていると述べていますが、一体なぜなのでしょうか。今週の注目ポイントは、9月16日に開催される、FOMC(連邦公開市場委員会)です。

「9/14~9/20のFX投資戦略」のポイント 

[ポイント]

・先週、米ドル/円は小動きだったが、ユーロ/米ドルは一時1.18米ドル割れと反落した。順相関の関係が続いている米国株が急落したことに連れた面が大きかっただろう。

 

先週、ユーロ/米ドルは一時1.18米ドル割れと反落
先週、ユーロ/米ドルは一時1.18米ドル割れと反落

 

・米国株はナスダック指数が先日の高値から10%下落するなど、不安定な状況が続いている。FOMCを前後して、米国株安の流れがどうなるかが、為替相場の行方でも最大の焦点となりそう。

 

・先週大きく動いた英ポンド。大幅下落リスクを抱えている可能性に注目。

先週、不安定な状態が続いていた「米国株」

先週の米ドル/円は106円近辺での方向感の乏しい展開に終始しました。そして、そんな米ドル/円に比べると、ユーロ/米ドルなどは少し動きがありました。

 

週前半は、前週からの流れを引き継ぎ、一時1.18米ドル割れとなりました。その後は、順相関の関係が続いている米国株が急落一服となったこともあり、ユーロ/米ドルも下げ渋る展開となりました。

 

以上のように見ると、今週の焦点の一つはやはり米国株の動向でしょう。米国株では、たとえばNYダウはこの間の高値からの下落率が5%程度となっていますが、これまでの上昇をリードしてきたナスダック指数は、すでにこの間の高値からの最大下落率が10%まで拡大。先週も4営業日のうち3営業日で陰線引けとなるなど、不安定な状況が続きました(図表1参照)。

 

出所:マネックス証券分析チャート
[図表1]過去3ヶ月の米ナスダック指数(2020年6月~) 出所:マネックス証券分析チャート

 

このように、ナスダック指数の下落が、NYダウに比べて大きくなるのは、割高修正の影響もあるのかもしれません。NYダウに対するナスダック指数の割合は一時0.4倍を上回り、2000年のITバブル以来の割高となりました(図表2参照)。

 

[図表2]米ナスダック指数/NYダウ(1990年~)

 

経験的には、NYダウに対するナスダック指数の割合は、0.2~0.3倍程度が平均的水準です。これを、足元のNYダウを前提で考えると、ナスダック指数は5000~8000ポイントがニュートラルな水準といった計算になりますから、1万ポイントを大きく上回る最近の動きは、過去の実績からすると相当な割高ということになるでしょう。

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