本当は帰れるのにダラダラと会社に残る「残業泥棒」、決められたことしかできない「マニュアル人間」…。日本企業を見渡せばそこら中にいる「非生産的」なビジネスパーソン。彼らは今後世界から必要とされなくなります。本記事では、中国人キャリアウーマンの筆者が、会社にしがみつき続ける「雇われ人根性」から脱却し、自立した働き方をするための具体策を提案します。※本連載は『ながら起業 明日クビになっても大丈夫な働き方』(幻冬舎MC)から一部を抜粋し、改編したものです。

行動を制限されても何も疑問を感じないロボットたち

一方で、日本人は一度作ったマニュアルやシステムを変えることを、不思議なぐらいに避けようとします。それが時流に合っていないと分かっていても、変えようとしない傾向があるのです。

 

マニュアルを作るのはいいですが、マニュアルに縛られすぎて行動を制限されても、何も疑問を感じない。こういう人は中国語で言うところの「機器人(ロボット)人間」になっているのだと、私は思います。

 

さらに言うなら、たとえマニュアルがなくても、「見えないマニュアル」に従う人間になっている人も大勢います。上司から言われたことに従い、「前例がないことはしない」「この業界では当たり前で、うちの会社も長年それで問題なくやってきているから」と理由を付けてひたすら今までのやり方を踏襲する。これでは、マニュアルに従っているのと変わりはありません。

 

この「マニュアル思考」が、日本が世界で勝てなくなっている原因の一つではないでしょうか。今は世界の変化は速く、2、3年で古いサービスは新しいサービスに取って代わられます。変化を恐れていたら、時代の流れに取り残されてしまうのです。

 

機器人人間はあらゆるところに生息しています。日本では基本的に一般社員に決定権は与えられていないので、一日の仕事が終わったら日報を書いて報告し、上司のゴーサインが出るまでは次のステップに進めません。いわゆるホウレンソウ(報・連・相)が徹底されているのですが、「中国ではこうはいかないな」と感心する一方で、報告業務に時間を取られすぎなのでは、とも感じます。

 

そのような体制が整っているからなのか、上司から指示をしない限り、行動を起こさない人もいます。そういう人を「指示待ち人間」と呼ぶのだと、私は日本に来て初めて知りました。指示待ちタイプの人は、自分の頭で考えることができず、「次は何をすればいいんですか」「これはどうすればいいんですか」と一つひとつ上司に確認します。これも見えないマニュアルに従っているのと同じです。

 

昔の中国の公務員は働かなくても給料が同じという理由で、指示をされてもやったフリや無視をする人が多かったのですが、日本人はむしろ仕事に対してマジメに取り組んでいます。それでも生産性が高い働き方をしているように感じません。

 

確かに、勝手に判断して行動した場合、上司に「なぜ相談しなかった」と怒られることもあります。しかし、言われた仕事しかしないと仕事の幅がいつまで経っても広がらず、成長できないでしょう。私が見ている限り、機器人人間になっている人はまったく自覚がないので、成長が止まっていることにも気づいていないように感じます。

 

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ながら起業 明日クビになっても大丈夫な働き方

ながら起業 明日クビになっても大丈夫な働き方

小野 りつ子

幻冬舎メディアコンサルティング

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