今回は、相続税申告を数百件経験した相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の天満亮税理士が、相続の専門家として「リフォーム」について語ります。

リフォーム費用の肩代わりで、贈与税の可能性

■建物の所有者以外の人がリフォーム費用を負担すると、贈与税の問題が出てくる?

リフォーム費用の負担者は、原則としてその建物の所有者となります。この原則が崩れると、贈与税が論点として出てくることがあります。

 

たとえば母親が所有する家をリフォームする際に、親孝行として息子が全額支払いをしてあげた場合、その資金は母親への贈与とみなされ、贈与税が課される可能性があります(基礎控除の110万円を超える場合)。

 

反対に、息子が所有する家のリフォーム代を母親が全額支払いした場合にも、その資金は母親から息子への贈与とみなされ、贈与税が課される可能性があります。

 

不動産を購入したり、リフォームしたり、といったように、大きな買い物をした際には、税務署はその資金源がどこだったのかということに着目します。本来あるべき資金源ではない場合には、誰かしらが利益を受けていることになるので、その利益を受けている人には贈与税がかかる、という理屈です。

 

それを避けるためには、あらかじめ登記簿上の所有者を変更(贈与なり譲渡なり)して、リフォーム費用の負担者と建物の所有者を合わせておく方法や、登記上の持分を変更して、費用負担割合に応じた持分に調整しておく方法などが考えられます。もちろんこういった対策は登記が関わるので、実行した場合の登記費用の確認も必要となります。

 

贈与税の問題が表面化するのは、贈与した側に相続が発生して過去のお金の動きをチェックした際に、ということが多いようです。

 

贈与した側が父母や祖父母であれば、その父母や祖父母に相続が発生した場合、本来出ていくはずのないお金が出て行って結果的に相続財産が減ってるわけですから、税務署に厳しく見られると思ってください

 

反対に、父母や祖父母が下の世代にリフォーム費用を出してもらう場合には、相続税の節税という意味では逆の動きとなります。そうすると相続税申告の際の税務署からの厳しいチェックは無くても良さそうなものですが、贈与税の対象とされる可能性があるのは同様ですので、最悪の場合、本来減るはずだったお金が減っていない状態での相続税の課税の他に、過去の贈与税の修正申告(附帯税あり)ということも起こりえます。

 

■リフォームによってかかる税金を事前に把握しておきましょう

今回、リフォームによってかかる可能性のある税金についてお伝えしましたが、決してリフォームに対して後ろ向きな気持ちから書いたわけではありません。

 

せっかくご家族の皆様にとって、リフォームという前向きで明るい行動を起こすわけですから、後から「こんなはずじゃなかった」という後悔が起きないように、税金の専門家に相談しながら、必要なリフォームを積極的に進めて頂ければと思います。

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