今回は、相続税申告を数百件経験した相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の竹下祐史税理士が、相続の専門家として「不動産投資」について語ります。

不動産を活用した相続税対策の有効性

「不動産を活用した相続対策」、新聞や書籍などで謳われているのを見たことのある方はいるかと思います。また、ハウスメーカーや金融機関から、こういった売り文句で営業をかけられた方もいるのではないでしょうか。

 

不動産を活用すれば、以下の通り、一定の相続税の節税効果があることは事実です。

 

<不動産活用による相続税の節税効果まとめ>

①不動産の購入や建築による評価減(例)
 土地:相続税評価額=購入価格×80%
 家屋:相続税評価額=建築価格×60%

②賃貸による相続税評価額の引き下げ(例)
 土地:貸家建付地評価=更地評価額(上記土地評価額)×約80%
 家屋:貸家評価=空家評価額(上記家屋評価額)×70%

③区分マンション購入による評価減(例)
 区分マンション:相続税評価額=購入価格×20%~50%

 

ただし、過度な節税対策は税務署による否認リスクがあることを認識したうえで、不動産経営の視点をしっかり持ちつつ慎重に進めていくことが大切です。

 

不動産投資は経営の視点が大切(※画像はイメージです/PIXTA)
不動産投資は経営の視点が大切(※画像はイメージです/PIXTA)

不動産経営において、何を重視するか?

不動産経営は正解が一つあるわけではありません。何を重視するか、それが利回りなのか、資産価値なのか、相続税の節税効果なのかによって投資対象は変わってきます。

 

本人の現在の状況によっても、とり得る選択肢は変わってきます。年齢や財産額、賃貸経営ができる遊休地を所有しているか(または土地から仕入れる必要があるか)、必要融資額(自己資金をどれくらい使えるか)等を考慮して検討します。

融資を受ける際の留意点は?

特に融資を検討する際には、現在の職業や金融資産額、既存借入額によって融資の条件が変わってきます。金融機関による審査の中では、事業計画、土地(担保)の価値、ご本人の属性、自己資金や過去の不動産経営の実績が見られることになります。

 

資金調達先としては、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、ノンバンク等が選択肢になります。後者の方がハードルは低くなりますが、その分金利はより高くなります。従来から付き合いのある金融機関だけでなく、建築会社紹介の金融機関等、いくつかの調達先を比較検討することが大切です。比較検討することによって、より良い条件を引き出せることがあります。

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