産後の夫婦関係はその先何十年を左右する。日本では「産後うつ」になる女性が30%を超えるが、男性のサポートが得られなかったことも大きな原因だろう。産婦人科院長を務める著者が、夫婦で仲良く過ごすための男性からの働きかけのヒントを伝授する。本連載は、東野産婦人科院長の東野純彦氏の著書『知っておくべき産後の妻のこと』(幻冬舎MC)から一部を抜粋した原稿です。

パタニティブルーの防ぎ方5選

楽しく明るい家庭を築くため、かっこいい父親であるために気をつけるべきことは何か。「心理的要因」「生活リズムの大きな変化」「パートナーとのコミュニケーション不足」の三つの原因のなかで、解決に向けてまず取り組んでほしいのは「パートナーとの関係改善」です。妻との関係が良くなれば、心理的なストレスは軽減されます。

 

生活リズムの変化はある程度は仕方がないことだとしても、二人で話し合えば解決できることも多いはずです。ここで、すぐに実践できる妻との関係改善の具体例を挙げましょう。

 

1.お互いに感謝の言葉をかける

当たり前のことかもしれませんが、まずは感謝の気持ちをきちんと言葉に出して伝えることです。また、育児に対する意見や希望をお互いに理解し、尊重して「言わなくても分かる」と過信せず、してほしいことを言葉で伝え合いましょう。

 

2.少しでも二人だけの時間を持つ

例えば、子どもが寝静まったあとの時間。二人で今日起きた出来事を話し合ったり、好きな映画を一緒に観たり、夫婦の時間を確保することをルール化し、積極的にコミュニケーションを取りましょう。

 

3.下の名前で呼び合う

子どもが生まれると「パパ」「ママ」という呼び方に変わることがあります。恋人だったときのように下の名前で呼んでみると新鮮な感覚がよみがえり、お互いを大切にする意識が芽生えるでしょう。

 

4.ストレスはこまめに発散する

子どもが生まれたことがストレスだなんて言いたくない、その気持ちはよく分かります。しかし、ストレスとはすなわち「外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態」のこと。

 

つまり、結婚や出産、子育てといったうれしい出来事も、刺激としてストレスの原因になり得るのです。ですから、初めてのことだらけの育児や家事でストレスが溜まるのは当然のこと。

 

まずは、それを受け入れてストレス=悪いものだという考えを捨てましょう。そして、そのうえで大切なのが、一人の時間をつくることです。週1でも月1でもかまいません。妻に事情を話し、仕事や家族から離れて何かに没頭できる時間をつくりましょう。

 

5. ルールは緩く

繰り返しになりますが、家族になるためにはルールが必要です。

 

しかし、そのルールがガチガチに決まっていては、自分の首を絞めることになりかねません。子どもの離乳食やおむつ替えは妻が、お風呂は夫が、と役目を大まかに決めておくのは良いのですが「できなかった場合」を想定する必要があります。

 

「ここから先はあなたがやって」と線引きしてしまうと、二人の関係はギスギスしてしまいます。臨機応変に動ける「ゆとり」を持ち、助け合える状態にしておくと良いでしょう。

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知っておくべき産後の妻のこと

知っておくべき産後の妻のこと

東野 純彦

幻冬舎MC

知らなかったではすまされない「産後クライシス」―― 産後の妻の変化、訪れる最大の離婚危機…… カギを握るのは夫の行動!? 女性の生涯に寄り添ってきた産婦人科医が伝授する夫婦円満の秘訣とは

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