投資期間や市場平均を考慮することも必要
しかし一方で、投資成績は多くの変数によって左右されますので、短絡的に結論を出すこともまた戒めなければいけません。
たとえば、10年していた投資手法Aの運用成績が年平均8%で、1年していた投資手法Bの運用成績が年-1%だった場合、投資手法Bは間違っているといえるのでしょうか?
これはまだ早計ですね。もう3年、5年、10年と投資手法Bを続けてみないと、投資手法Aとは比べられないのかもしれません。
また、相場全体の状況だって運用成績には大きく影響します。
たとえば、リーマンショックを挟んで3年間していた投資手法Cの運用成績が年平均1%で、アベノミクスの最初の3年間でしていた投資手法Cの運用成績が年平均9%だった場合、投資手法CよりDの方が優れているといえるのでしょうか?
これもまた早計だといえるでしょう。リーマンショックがありながらもプラスの運用ができた投資手法Cをアベノミクスの時にしていたら、投資手法Dよりも優れた運用成績を残せた可能性もあるからです。そしてこの場合、「日経平均などの株価指数と比較し、市場平均をどの程度上回ったか」を検証の基準にすることが、1つの解決策になるでしょう。
このように、ある投資手法の効果を検証するには、投資期間や市場平均を考慮し、短絡的な結論を出さないことも重要になります。そうしなければ、その手法の真価は測れないからです。
■まとめ
投資手法の優劣を検証するためには、運用成績を明確にしてそれを比較することが欠かせません。そして、自分の信念によって検証結果を覆い隠さず、素直にそれを受け入れることが重要です。
しかし、短絡的な結論を出さないこともまた重要であり、投資期間や市場平均を考慮した比較も必要になってくるでしょう。
このようにして投資手法の優劣を検証することで、より洗練された手法を見つけていくことができるのではないでしょうか。