売却タイミングについて自身のスタンスを決めておく
では、「3カ月以内で売れると予想される金額」がいくらだったら売るべきなのでしょうか。こればかりは、個別の事情によってまったく異なるので、十把一絡げにいうことはできません。
いくつか目安となるものはあります。ひとつは、国土交通省が発表している不動産価格指数です。この数字を見ると、不動産市場に大局がわかりますので、いつが売り時なのかの目安となります。
借入残高も目安のひとつです。借入残高に比べて売却価格がマイナスであれば、当然ながら売り時とは言い難いです。当然ながら、物件の売買には仲介手数料や不動産取得税、登録免許税など、さまざまな諸経費がかかりますので、それらも加味して、損得を考えないといけません。
また、法人でない場合、所有期間5年以内に売却する場合には、譲渡税が上がることがあります。ですから所有期間にも気を配る必要があります。
ただし、譲渡税は売買によって利益が出たときのみにかかってくるものなので、インカムゲインや諸経費を加味した総合的な損得で見なければ正しい判断はできません。
また、利益は手元に残った利益だけではなく、税法上の利益なので、専門家に相談するのがよいでしょう。
いずれにしても、どういう数字になったら物件を売るのかということを、あらかじめ方針を固めておくといいでしょう。行き当たりばったりではなく、この物件でこれくらいの利益が得られたら十分だというスタンスを決めておくことで、「売るべきか待つべきか」で常に頭を悩ませている、ということがないようにしたいものです。
皆さんは経営者であり、本業があります。常に売買を念頭に置いておくのではなく、基本的には所有し続けられる物件を選ぶのがよいのではないでしょうか。
曽我 ゆみこ
化粧品会社経営
投資家
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