パートナーのつらさが周りの人にわかってもらえない
それに怒ったアポロンは「カサンドラの予言は誰も信じない」という呪いをかける。カサンドラは真実を知って伝えても、誰にも信じてもらえなかった。真実を言っても信じてもらえないところから、カサンドラ症候群の名前がついた。
カサンドラ症候群は、主にアスペルガー症候群(現在は自閉症スペクトラムと呼ばれている)のパートナーと情緒的な相互関係を築けず、精神的身体的症状を呈している状態をさしているが、1990年代以降アメリカで言われるようになり、日本においても認識されるようになってきた。パートナーのつらさが周りの人にわかってもらえないことから、カサンドラ症候群と名づけられた。
しかし、アスペルガー症候群のみならず発達障害の人と接する時の悩みは、第三者にわかってもらえないということは共通していると言える。
本記事は連載『“発達障害かもしれない人”とともに働くこと』を再編集したものです。
野坂 きみ子