障害についての基本的な考え方
まず、障害について基本的な考え方として、先天性障害と後天性障害があります。先天性障害は生まれ持った障害のことであり後天性障害とは生まれてから得た障害のことです。
現在法制度的には、障害は身体障害、知的障害、精神障害の三つで考えられていますが、精神障害は平成5年の障害者基本法ではじめて障害として含まれ、現在の三障害になりました。障害の認識、枠組みは戦後変化し続けてきました。
三障害の中で最も古い法律は、身体障害者福祉法(昭和24年)です。戦後多くの傷痍軍人がおり対応が急務であったことが伺えます。障害は視覚障害、聴覚障害、肢体障害などに分かれていますが、切断など目に見えてわかるものと視覚検査や聴覚検査のように検査でわかるもので、医学的に判定し、身体障害者手帳を発行することによって障害者と認定します。
現在、手帳の障害等級は7級までありますが単独手帳を発行するのは6級までで、1級が最重度です。障害者手帳が交付されると、社会福祉の対象として公的な助成やサービスを利用することができます。社会保障として重要なことであり、該当になるかどうかで個人の福祉的利益も左右されます。
「ライシャワー事件」以降、医療費の公的負担スタート
昭和39年のライシャワー事件(精神疾患のある青年がアメリカ大使のライシャワーに傷害を負わせた事件)により精神衛生法が改正され、通院医療費の公費負担が始まりました。入院も強制入院や保護入院、任意入院などに分かれていました。公費の助成とともに、精神病者の把握もできました。
その後、昭和59年宇都宮病院事件(精神病院の職員の暴行により入院患者が死亡した事件)が海外からも批判を受け、精神保健法(昭和62年)の制定に至っています。
それまで社会防衛的な視点が強く、何らかの事件がなければ改正されてきませんでしたが、精神障害者が福祉の対象として考えられるには精神保健福祉法(正式名称は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、平成7年)の制定まで待たなければなりませんでした。
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