乗り換えは適切なタイミングで「月1回前後」行う
今回は、「30万円コース」での乗り換えの頻度とタイミングを見ておきましょう。何月に何回乗り換えたのかを以下の図表にまとめました。
[図表]30万円コースの取引回数と頻度
まったく取引していない月がけっこうあることがわかると思います。これは、一度に複数の銘柄を購入するケースが多いため、乗り換えのタイミングも一緒になることが多いからです。
また、資金の少ない30万円コースでは、比較的投資金額の大きい銘柄に乗り換えようとするときには、保有している複数の銘柄を売却して、購入資金を必要なケースが多いことも、銘柄の取引が集中する理由です。
では、乗り換えの頻度はどうでしょうか。すべての取引数を合計すると、32カ月間で購入と売却を合わせて、全55回の取引をしていました。単純に割り算をすると、1カ月に約1.7回の取引をしたという結果になります。
ただ、購入と売却をそれぞれ1取引と数えていますから、「乗り換え」をまとめて1回と数えれば回数はもっと少なくなります。月1回前後になるのではないでしょうか。
月1回の乗り換えで、2年半で資産は2.5倍へと増えて、100万円もあと1回転というところまで来ています。頻繁に乗り換えなくても、適切なタイミングで乗り換えていけば資産はしっかりと増えていくのです。
適切なタイミングで乗り換えに成功した実例とは?
「30万円コース」で、乗り換えによって資産が大きく増えたケースの一例として、2015年2月6日のアルプス電気(6770)、ユーグレナ(2931)、ケネディクス(4321)から、サイバーエージェント(4751)への銘柄乗り換えに触れておきたいと思います。
サイバーエージェントの買い推奨株価は5620円(100株単位)。日本通信などで得た利益が貢献して資産は徐々に増えていましたが、当時「30万円コース」でサイバーエージェントの株を買うには、他の保有銘柄をすべて売却して乗り換える必要がありました。
ユーグレナは2月2日に買ったばかり、アルプス電気の株価も好調で、資金に余裕があれば「乗り換え」ではなく追加で買ったかもしれません。
しかし、サイバーエージェントの四半期決算が想定を上回る好業績で、特にスマホ分野での広告シェアが伸びている点を評価して、他の3銘柄はすべて売却してサイバーエージェントに資金を集中しました。
乗り換えの結果は大成功で、約2カ月後の4月16日には+15%、8万6000円の利益を確定することができました。
なお、2カ月でサイバーエージェントを売却したのは、4月10日に日経平均が取引時間中に2万円の節目を突破して、株式市場が新たなステージに突入することから一旦利益を確定しておこうと考えたためです。
その後、サイバーエージェントは上げ下げを繰り返しながらも下落していることから、こちらも正しい判断となりました。