来月1日は「防災の日」。それから1週間は「防災週間」として、さまざまな取り組みが行われます。この機会に、自宅や勤務先など、身近な地域の災害リスクを確認したり、万が一に備えて準備したりする人も多いでしょう。そこで今回は、東京の洪水リスクについて考えていきます。

8月28日、水害リスクの説明が義務化

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大で、日本全国が不安に包まれるなか、東北、中部、九州地方で大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」は、まだ記憶が新しいところ。そして今度は台風シーズンが到来します。

 

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近年、地球温暖化の影響かどうか、検証されていますが、集中豪雨の増加、スーパー台風の襲来などが懸念されています。そのため、洪水リスクに対する関心は高まり、実際、自宅のある地域のハザードマップを確認したという人も多いのではないでしょうか。

 

このようななか、宅地建物取引業法施行規則の改正が行われ、8月28日から、住宅購入や賃貸など、不動産を取引する際には、ハザードマップに基づいて物件所在地の水害リスクの説明が義務付けられました。

 

必要とされる自治体のほぼ100%でハザードマップの作成は完了し、ウェブサイトなどで閲覧可能になっています。洪水ハザードマップは、2016年に改正された水防法に準じ、「1000年に一度の想定最大規模の降雨」に対応した厳格化された基準で作成されることが求められています。しかし、この新基準に対応したハザードマップは全体の50%程度といわれています。その洪水ハザードマップがどの基準でつくられているのか、確認しておいたほうがいいでしょう。

 

新基準に対応済みかどうかは別問題として、近年、増加する水害被害や、宅地建物取引業法施行規則の改正などを受けて、リスクに応じて保険料に差を設けようとする動きも出ています。リスクが高いとされる地域に住むことに対して、コストアップの可能性が出てきたのです。

 

今後、居住地選定の際には、その地域にどのようなリスクが内包されているのか、賃借人自身で把握する努力も必要となるでしょう。

 

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