どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、都営新宿線「馬喰横山」。

 

そんな街も、最近変わりつつあります。時代とともに流通に変化が生じ、閉店する店舗も増えていますが、空き店舗をリノベーションし、ギャラリーやカフェがオープン。街歩きが楽しい街として、注目度がアップしているのです。昨今は、インバウンドの高まりによって、外国人の来街も増えていました。問屋街としての存在意義が問われるなか、今後、街として大きな変化が生まれそうな予感です。

複数路線を自由自在!交通利便性の高いエリア

住む街を探す際、最も重要視される家賃ですが、「馬喰横山」駅徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は9.64万円。東京都中央区の同条件1Kの平均家賃は11.16万円なので、同区のなかではリーズナブルな家賃水準のエリアだといえます(図表1)

 

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出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合 会調べ(8月24日時点) ※単位は万円
[図表1]「馬喰横山」駅周辺の平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合
会調べ(8月24日時点)
※単位は万円

 

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円です(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、都内勤務30代前半は8.5万円です。

 

出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 ※10名以上の企業対象 ※数値は所定内給与額 ※単位は万円
[図表2]20代後半、30代前半の平均月給 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
※10名以上の企業対象
※数値は所定内給与額
※単位は万円

 

このように平均給与から考えると、「馬喰横山」駅周辺は、会社員が住むには少々ハードルの高いエリアだといえます。実際、20代会社員の適正家賃内で駅徒歩10分圏内で見つかる単身者用の物件は、築40〜50年、専有面積も15平米以下と、居住性に難ありの物件です。30代会社員の適正家賃まで条件を広げると、築20年未満、専有面積20平米程度の掘り出し物の物件が見つかりますが、「築年数は譲れない」という人であれば、エリアの平均以上の家賃が、絶対条件になります。

 

一方で、「馬喰横山」を通るのは都営新宿線路線だけですが、徒歩圏内に総武線(快速)「馬喰町」駅、東京メトロ日比谷線「小伝馬町」駅、都営浅草線「東日本橋」駅と、交通網は充実しています。平日通勤時間帯であれば、「新宿」は16分、「東京」は4分、「品川」14分と、ターミナル駅にもアクセスしやすい立地です。乗換駅間は地下通路でつながっているので、雨の日でも快適に移動できるがポイントです。

 

また道路は、江戸通りや靖国通り、清洲橋通りと幹線道路に囲まれていますが、一方通行の細い道が多く面倒です。自動車での移動では、少々不便を感じるかもしれません。

 

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