株で勝てない人は「ビジネス」と「数字」が読めない
株式投資では、投資歴が長く、知識も十分なのに、いつまでも儲けることのができない人が大勢います。彼らはなぜ、株式投資で勝つことができないのでしょうか。それは知識や経験があっても、株式投資に必要なセンスがないからです。
一般的に「センス」という言葉は、「物事の微妙な感じを悟る心の動き」という意味で使われます。もっと簡単に表現すれば、「鋭い感覚」とでもいえるでしょうか。
それでは、「株で勝つために必要なセンス」とは、どのようなものでしょうか。4つ挙げると、「ビジネスのセンス」「数字を読むセンス」「集団心理を読むセンス」「冷静さを保つセンス」が必要だと思われます。そこで以下に、それぞれについて説明していきましょう。
株式投資に勝つためのセンス、その1「ビジネスのセンス」
多くの経営者は、前向きに明るい未来を語ります。そして、それがメディアを通じて報じられます。
しかし、それが強がりや思い込み、芝居の場合は少なくありません。本音で「このビジネスがうまくいくかどうかわからない」「このビジネスはもう駄目だと思うから、どう撤退するかを考えている」などと言う人はなかなかいないからです。
しかし、そもそも投資家自身にビジネスのセンスがあれば、そんな経営者たちの発言にも惑わされないですむでしょう。そのビジネスにはどんな強みがあるか、永続性や将来性はあるか、株主の利益を考えているか、などを見抜くことのできるビジネスのセンスを持っている投資家には、やはり株で勝つためのアドバンテージがあるのではないでしょうか。
株式投資に勝つためのセンス、その2「数学を読むセンス」
しかしながら、定性的にビジネスを理解するセンスだけでは、株で勝つためには不十分でしょう。
企業活動は「利益」「キャッシュ」という数字を生み出すためにおこなわれるのであり、投資家もそれに乗じて資産を増やそうとしているのです。ですから、そういった数字を読むセンスもまた、投資家には必要だといえます。
売上がどんどん伸びて知名度を上げているのに、実は純利益がマイナスである会社。会計上の純利益は積み重ねているのだけど、有利子負債もどんどん増えている会社。配当利回りが低く自社株買いもせず、株主の利益をあまり考えていない会社。たとえば、純利益はあるけどなぜか営業キャッシュフローがマイナスであるなど、違法とまではいかなくても見栄えの良い決算書を作っている会社。
このような会社を見抜き、本当に良い会社に投資ができるのは、数字を読むセンスのある投資家なのではないでしょうか。