消費増税の悪影響を受ける中小企業
リーマン・ショック以降、急速に回復していった中小企業の業況判断は8 %の消費増税によって腰を折られた。そして今回の消費税 10 %増税で、またもや腰を折られ、再び下落し始めているのだ。
それでは、なぜ消費増税が中小企業の業況判断に悪影響を与えるのか。1つの理由として、中小企業は大企業に比べて価格交渉力がないということが挙げられる。信金中央金庫地域・中小企業研究所が発表した『全国中小景気動向調査』によれば、消費税率引き上げ分を販売価格に全て反映できると回答したのは全体の40.2%にすぎない。
当然だが、反映できない部分については自社の利益を削る必要がある。そのため、消費増税の悪影響は大企業に比べて中小企業に大きく出るのだ。
※使用されているデータは執筆された2020年3、
森永 康平
金融教育ベンチャーの株式会社マネネCEO
経済アナリスト