本記事は、金子征司著『絶対おトク!賃貸併用で実現する0円マイホーム』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

「持ち家リスク」という発想を持っているか?

こうして希望の物件に巡り合い、マイホームとして申し分のない物件を購入できたからと言っても資金計画の役目は決してそこで終わりではありません。なぜなら、そこからマイホームでの新しい生活が始まるからです。

 

 

それは二つの意味で新しい生活です。

 

一つは、新しい住居を手に入れ、気持ちを新たにスタートできること。平日も休日も、行ってみたい場所ややってみたいことが次々と頭に浮かぶでしょう。

 

もう一つは、マイホーム購入前と比べ貯蓄が減っているのと同時に、住宅ローンの返済が始まることです。毎月一定の額を支払い続けるという点で言えば家賃と変わりませんが、今の環境下では、家賃値上げはないにしても金利上昇による返済額の上昇という事態が考えられます。仮に家賃と返済額が同程度の額とすると、将来にわたって安定的と見られる家賃の支払いが、将来の変動リスクをはらむ返済額に置き換わるということは、しっかり認識しておくべきです。

 

もちろんそれは、住宅ローンの適用金利に変動型を選んだ場合です。今の金利水準は以前と比べれば、超低金利とさえ言われます。さすがに下がる余地はないと見られていますが、上がる可能性はゼロではありません。

 

こうした新しい生活を支えるであろう経済基盤、つまり給与収入に将来変化はないのか、という点を考えなくてはいけません。

 

国民全体の平均給与で見てみると、この20年間で随分金額は落ち込みました。国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、平均給与は1995年で457万円です。それが2015年には420万円まで下がってしまいました(編集部注、最新2018年は441万円)。将来も現在と同じように安定的に給与をもらうことができるという保証は、必ずしもないと言っていいでしょう。

 

マイホームを購入することによって新しい生活が始まると先ほど説明しましたが、それを航海にたとえれば、給与が右肩上りの高度経済成長期には順風満帆の旅だったのでしょう。だから、マイホームを手に入れれば、それで安心できたのです。

 

ところが現在は違います。マイホームを手に入れてから、厳しい経済環境という荒波の中に漕ぎ出すことになります。だからこそなおさら、マイホームを手に入れて終わり、という認識ではいけないのです。マイホームを購入した後も新しい生活を安心して営めるように、資金計画を立てることが欠かせません。

 

そこで意識すべきは、「持ち家リスク」です。今の時代、マイホームを持つことには一定のリスクが伴うという発想です。それはまさに、新しい生活の「新しさ」として説明した点です。現金資金が減った中で、家計には将来の変動リスクをはらむローン返済を抱えている。しかも高度経済成長期のようには収入の伸びに過大な期待は掛けられない。そうした状況が家計の弾力性を奪い、それまでになかった恒常的な支出が生じれば、その負担に耐えられなくなるという状況です。

次ページ30〜40歳代にとっての「持ち家リスク」とは?
絶対おトク!賃貸併用で実現する0円マイホーム

絶対おトク!賃貸併用で実現する0円マイホーム

金子 征司

幻冬舎メディアコンサルティング

賃貸併用住宅は、マイホームの一部を賃貸用の部屋にして、家主が自宅として住みながらも家賃収入を得られる「働くマイホーム」です。しっかりと賃貸管理を行って家賃を確保できれば、住宅ローンの返済を毎月ゼロ円に抑えること…

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