株式やFXに比べて着実かつ安定的に資産形成を行える「不動産投資」。しかし、あらゆる投資にはリスクがつきものです。収益を上げるには、どのようなリスクがあるのかを事前に把握した上で適切な対策をとることが欠かせません。※本記事は『最強「レアボロ」不動産投資』(幻冬舎MC)から抜粋・再編集したものです。

「賃貸管理」も物件の価値を左右する一要素

購入した物件の管理に関しては、想定されるトラブルだけでなく、不動産投資の成否にかかわる問題が発生することもあります。特に入居状況の悪化などが生じた場合の対策について、ここで確認しておきましょう。

 

まず、想定されていた入居率が大きく下落してしまい、ローン返済にも影響が及んでしまった場合です。入居率が大きく落ち込むとローン返済ができず、最悪の場合には赤字のまま経営していかなければならなくなります。

 

本来であればそのようなことがないよう、きちんとリサーチしたうえで物件を購入するべきです。しかし、購入時には見落としてしまっていたり、あるいはリサーチ不足で購入してしまったりする場合は、あとから対処するしかありません。

 

その場合の対処法としては、まず管理会社に相談することから始まります。管理会社に状況を説明し、どのような対応を取るべきなのかを相談することが何よりも大事です。なぜなら管理会社は、管理のプロフェッショナルだからです。

 

もちろん多くのケースでは、発生する問題の内容を管理会社も把握しています。管理会社から問題点について報告を受けるケースが大半でしょう。その点において、自分ですべて対応しなければならない自主管理より安心です。

 

特に自主管理の場合、あらゆる問題が不動産投資家(オーナー)の元に寄せられます。それらすべてに対処するとなると、相応の労力と時間を投下しなければならず、また問題の解決が長引いてしまうこともあります。

 

管理会社を利用するべきなのは、その点からも明らかです。特に緊急性を要するようなトラブル対応を持ちかけられたとき、「対応できません」となってしまえば入居者の満足度に大きく影響してしまいます。

 

たとえ入居者を獲得しやすい人口密集地でも、周辺物件との競合関係を考えれば、より望ましい対応を行っている物件に人が集まるのは当然です。そして対応が悪い物件というのは空室率が高くなり、収益性が不安定になるわけです。

 

そのような前提を踏まえると、トラブル対応のポイントとして重要なのは「対応可能な時間」「スピード」「対応力」の三つであるとわかります。これらの項目は管理会社を選ぶ際にも重要視される事項です。

 

すでに述べているように、日常管理やトラブル対応は、「24時間365日」が基本となりつつあります。もちろん深夜や早朝の対応は遠隔での対応にはなりますが、それでも「いつでも対応できる」という姿勢が入居者の安心につながります。

 

そうした対応がスタンダードになっているということは、対応可能な時間に制限があるというだけで、入居者からの反応が悪くなることを覚悟しなければなりません。それはすなわち、入居率や空室率にも影響があるということです。

 

スピード対応についても同様です。問い合わせの電話がつながらない、あるいはつながっても返答までに時間がかかるとなれば、信頼性の毀損につながります。もちろん対応できる内容やその範囲に関しても、高い水準が要求されます。

 

現状、賃貸管理は入居サービスの延長として捉えられている傾向があります。賃貸管理も含めて物件の価値が決まるということを、肝に銘じておきましょう。

 

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著者・正木 透次郎
監修・管 丈史

幻冬舎メディアコンサルティング

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