株式会社ビジネス・ブレークスルー執行役員である高松康平氏の書籍『筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」』(朝日新聞出版)より一部を抜粋してお届けする本連載。初回は、ビジネスシーンで問題に直面した際、多くの人は「楽しくない」という単純な感情を根拠として、もっとも大切な現状理解(WHERE)をないがしろにし、本質的課題発見(WHY)や解決策立案(HOW)に進みたくなる傾向があることを解説した。本記事は第2回目。現状理解(WHERE)にあたる思考プロセスとは、具体的に何を指すのか?

「分析」聞こえはいいけど適当にやっては意味がない

獲得する武器1 こだわりを持って分ける

 

では、どうやって物事を分けていけばよいのでしょうか? とりあえず、なんとなく分けるのではなく、こだわりを持って分けることです。

 

きちんと目的を持って分けてみるのです。こんな切り口で分けると何か新しい発見があるかもしれないと自分なりに楽しみながら、どのように物事を分けるかを考えていきます。そのこだわりの持ち方をご紹介していきます。

 

こだわりを持って分ける技術を身につけるためのポイントは3つあります。

 

ポイント① 筋の良い分け方とは?

ポイント② 常にMECEを意識する

ポイント③ 主語を意識しながら仮説を出して切り口を作ってみる

 

本記事では「ポイント① 筋の良い分け方とは?」について説明します。

 

ポイント① 筋の良い分け方とは?

 

こだわりを持って分けるためのポイント①は、筋の良い分け方と筋の悪い分け方の違いを理解することです。この違いを理解することは、なぜ分けるのかという目的を深く理解することにもつながっていきます。たとえば、[図表]の2つの分け方を見ながら考えていきましょう。まず左側です。

 

[図表]こだわりを持って分ける

 

これは筋の良い分け方でしょうか? 筋の悪い分け方でしょうか?

 

[図表]の左側を見ると、分けた結果の3つのグラフが全部同じように悪い傾向を示しています。これでは、特に悪い部分が特定できていません。つまり分けた結果、差がないため、分ける意味がありません。筋が悪い分け方となります。

 

これではせっかく分けているのに、どこで問題が発生しているか特定できていません。一番上も悪い、真ん中も悪い、一番下も悪い。もう全部悪い。こうなってしまうのであれば、全部悪いわけですから、分ける意味がないのです。

 

分ける目的は何か? 一番悪い場所を特定するためです。だから、分けた部分ごとに差を見つけたいのです。つまり、分けた部分ごとに差がある分け方が筋の良い分け方です。図の右側で言えば、分けた結果、一番上は少し悪い、真ん中は伸びている、一番下が極端に悪くなっています。このように分けた部分ごとに特徴を見たときに、差が出てくれば、問題を特定できるのです。

 

次ページ「ちょっと悪い部分」は無視していいものか?
筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」

筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」

高松 康平

朝日新聞出版

マッキンゼーで世界最高峰の「考える力」を身につけ、ビジネス・ブレークスルーで「問題解決力トレーニング」を教える著者が、経験がなくても、筋のよい仮説をつくり、問題を解決していくステップと「7つの武器」を伝授。

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