「分析」聞こえはいいけど適当にやっては意味がない
獲得する武器1 こだわりを持って分ける
では、どうやって物事を分けていけばよいのでしょうか? とりあえず、なんとなく分けるのではなく、こだわりを持って分けることです。
きちんと目的を持って分けてみるのです。こんな切り口で分けると何か新しい発見があるかもしれないと自分なりに楽しみながら、どのように物事を分けるかを考えていきます。そのこだわりの持ち方をご紹介していきます。
こだわりを持って分ける技術を身につけるためのポイントは3つあります。
ポイント① 筋の良い分け方とは?
ポイント② 常にMECEを意識する
ポイント③ 主語を意識しながら仮説を出して切り口を作ってみる
本記事では「ポイント① 筋の良い分け方とは?」について説明します。
ポイント① 筋の良い分け方とは?
こだわりを持って分けるためのポイント①は、筋の良い分け方と筋の悪い分け方の違いを理解することです。この違いを理解することは、なぜ分けるのかという目的を深く理解することにもつながっていきます。たとえば、[図表]の2つの分け方を見ながら考えていきましょう。まず左側です。
これは筋の良い分け方でしょうか? 筋の悪い分け方でしょうか?
[図表]の左側を見ると、分けた結果の3つのグラフが全部同じように悪い傾向を示しています。これでは、特に悪い部分が特定できていません。つまり分けた結果、差がないため、分ける意味がありません。筋が悪い分け方となります。
これではせっかく分けているのに、どこで問題が発生しているか特定できていません。一番上も悪い、真ん中も悪い、一番下も悪い。もう全部悪い。こうなってしまうのであれば、全部悪いわけですから、分ける意味がないのです。
分ける目的は何か? 一番悪い場所を特定するためです。だから、分けた部分ごとに差を見つけたいのです。つまり、分けた部分ごとに差がある分け方が筋の良い分け方です。図の右側で言えば、分けた結果、一番上は少し悪い、真ん中は伸びている、一番下が極端に悪くなっています。このように分けた部分ごとに特徴を見たときに、差が出てくれば、問題を特定できるのです。